Vinyl Record Reviews
Aztec Cameraは、1980年にスコットランドのイースト・キルブライドでロディ・フレイムによって結成されたバンドです。ジャンルはロック、ポップにまたがり、インディー・ポップ、ニュー・ウェイヴ、オルタナティブ・ロック、ジャングル・ポップの要素を持っています。1995年に活動を終えています。
Aztec Cameraは、ヴォーカル、ギター、ハーモニカを担当するロディ・フレイムが唯一の不動のメンバーでした。メンバーはたびたび入れ替わっており、実質的にはフレイムのプロジェクトとして動いていた側面が強いです。メンバーにはBernie Clarke、David Ruffy、Malcolm Ross、Craig Gannon、Campbell Owens、Eddie Kulak、David Mulhollandらが参加しています。
フレイムは16歳のとき、グラスゴーのPostcard Recordsの共同設立者エドウィン・コリンズと出会っています。1981年には同レーベルから「Just Like Gold」(B面「We Could Send Letters」)でデビューし、その年にもう1枚シングルを出しました。その後Rough Tradeへ移り、1983年4月に1stアルバム『High Land, Hard Rain』を発表しています。
このアルバムの収録曲「Oblivious」はラジオでよく流れ、チャートでも一定の成功を収めました。アルバム自体も米Billboard 200に入り、最高129位を記録しています。
1984年の2作目『Knife』では、フレイムがマーク・ノップラーにプロデュースしてもらえそうな曲を意識して書き、実際にノップラーを迎えています。ここでは曲作りとプロデュースの方向性がはっきり見えます。
1987年の『Love』では、R&Bやダンス・ポップに寄った制作が行われました。マイケル・ジョンザンと作った「Somewhere in My Heart」は全英シングル・チャート3位を記録し、Aztec Camera最大のヒットになっています。フレイムはこの曲を当初B面向きと考えていたそうです。
1990年の『Stray』では、ザ・クラッシュのミック・ジョーンズが「Good Morning Britain」に参加しています。1993年の『Dreamland』はニューヨークで坂本龍一と共同制作された作品です。制作相手が変わるたびに、バンドの音作りにも別の色が入っていきました。
1995年の『Frestonia』を最後に、Aztec Cameraとしての活動は終了しました。その後、ロディ・フレイムはソロ名義で活動しています。
Aztec Cameraの初期は、インディー・ポップやニュー・ウェイヴ、ジャングル・ポップの要素が目立ちます。ギターを中心にした曲作りと、メロディのはっきりした楽曲が軸になっています。活動が進むにつれて、R&Bやダンス・ポップ、オーケストラ的なアレンジにも触れながら、作品ごとに方向を変えています。
一方で、バンド名義でありながら、ロディ・フレイムの作曲と歌が作品の中心にある点は一貫しています。メンバー交代が多かったこともあり、Aztec Cameraのディスコグラフィーは、フレイムの作家性を追う形で整理しやすいです。
Aztec Cameraは、1980年代のスコットランド発のインディー・ポップやニュー・ウェイヴを追うときに、外せない名前のひとつです。初期のギターポップ寄りの楽曲から、後年のポップ寄りの展開まで、アルバムごとの変化がはっきりしています。ロディ・フレイムの曲作りを軸に、時代ごとの制作体制や共演者の違いも見えてくるバンドです。