Vinyl Record Reviews
Disco Light Orchestraは、1970年代後半のディスコ・ブームの時期に登場した録音名義だ。確認できる範囲では、当時のヒット曲をディスコ・アレンジで演奏した音源がまとまって残っている。メンバーや結成経緯、制作者については、公開されている情報がほとんどない。
ウェブ上で確認できる記録では、1979年に西ドイツのBertelsmann系通販レコード・クラブ向けコンピレーション『Disco-Dancing – Auslese in Gold』に、この名義の演奏が多数収録されている。レーベル表記はSR Internationalで、Ariola-Eurodisc系の流通に乗っていた作品だ。
このアルバムでは、Bee Geesの「Stayin' Alive」「Night Fever」、Gerry Raffertyの「Baker Street」、Kate Bushの「Wuthering Heights」、Los Bravosの「Black Is Black」、「The House Of The Rising Sun」などが取り上げられている。原曲はポップス、ロック、フォークなど幅広いが、ここではディスコのビートに合わせたインストゥルメンタル中心のカヴァーとして並んでいる。
Disco Light Orchestraの音源で目立つのは、当時のヒット曲をディスコのリズムに置き換えている点だ。原曲のメロディを残しつつ、4つ打ちのビートやダンス向けの編成に寄せた作りになっている。
特に1970年代後半のディスコ市場では、こうしたカヴァー音源がコンピレーションや通販盤で流通していた。Disco Light Orchestraも、その流れの中で使われた名義として見ておくと整理しやすい。
確認できる範囲の選曲を見ると、ディスコ化の対象はかなり広い。
この並びだけでも、当時の「有名曲をダンス向けに再構成する」という需要に沿った録音だったことが見えてくる。
Disco Light Orchestraは、単独のバンドとして語られるより、1970年代末のディスコ文化を示す録音名義として見ると分かりやすい。オリジナル曲というより、既存のヒット曲を別の用途に合わせて再演する形だ。
Discogsにもプロフィールの記載はなく、活動の全体像は追いにくい。ただ、残っている音源からは、当時のヨーロッパ圏で流通していたディスコ・コンピレーションの一端が確認できる。
この名義の音源を聴くときは、原曲との違いを見ると面白い。メロディの扱い、リズムの置き換え、シンセやホーンの入り方など、ディスコ向けにどう組み替えているかが分かりやすい。
Bee GeesやGerry Raffertyの曲が、別のダンス・フォーマットに入れ替わるとどう聞こえるか。その変化を確かめる資料としても、Disco Light Orchestraの録音は興味深い。