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Thomas Stewartは、Tommy Stewart(トミー・スチュワート、本名:Thomas Wesley Stewart Jr.、1939年11月19日生まれ)の名で知られるアメリカのトランペット奏者、編曲家、作曲家、プロデューサーだ。アラバマ州ガズデン出身。1970年代のアトランタやメンフィス周辺のサザン・ソウル、ファンク、ディスコの音作りに深く関わった名匠として知られている。
幼いころから音楽に親しんでいた背景には、作詞作曲家でありボーカリスト、合唱指揮者でもあった母親の存在がある。早い時期にトランペットを身につけ、1964年にはフレッド・ウェズリー(後にJBズで活躍)や第55軍楽隊のメンバーと演奏していた。
その後は名門ブルーノートのピアニスト/アレンジャーであるデューク・ピアソンのビッグバンドにも参加し、演奏だけでなく高度なオーケストレーションや編曲の経験を積んでいった。
1970年代に入ると、トミー・スチュワートはアトランタを拠点に、プロデューサー/アレンジャーとして多くの名作に関わるようになる。クラレンス・カーター、キャンディ・ステイトン、ジョニー・テイラー、エディ・ケンドリックス、ルーサー・イングラム、ミリー・ジャクソン、タミコ・ジョーンズ、リップル(Ripple)ら、ソウル/ファンク周辺の重要アーティストたちの作品で、ブラスやストリングスの編曲・プロデュースを担当した。
サザン・ソウルの力強い土台を持ちながら、フロアを揺らす洗練されたダンス・ビートに合わせて音を構築する手腕は高く評価された。
1976年、アトランタのローカルレーベルAbraxas Recordsから自身の名義でアルバム『Tommy Stewart』をリリースした(桃のイラストジャケットで有名)。この作品は彼の代表作であり、レア・グルーヴ/ディスコ・ファンク史上の金字塔として扱われている。
収録曲の中でも「Bump And Hustle Music」は特に有名で、跳ねるようなファンキー・ビート、ワウギター、炸裂するホーン・セクション、女性コーラスのチャントが一体となった究極のダンスナンバーだ。ヒップホップ界でも数多くサンプリングされ、世界中のDJやレコード・コレクターのあいだで聖杯(ホーリー・グレイル)として扱われてきた。
アルバムにはほかにも「Fulton County Line」「Riding High」「Make Happy Music」など、極上のファンクやモダン・ソウルが収録されている。
トランペット奏者としての経験を生かした歯切れの良いブラス・アレンジと、ソウルの滋味あふれるグルーヴを保ちながらダンスフロアを沸かせるビート感覚が最大の武器だ。
ディスコ・ブーム前夜において、南部の骨太なファンクと洗練されたダンス・ビートを先駆的に結合させたイノベーターとして再評価されている。名門リイシュー・レーベルからの再発も相次ぎ、「Bump And Hustle Music」は現在もクラブのフロアを熱狂させ続けるダンス・クラシックである。