Gilgamesh

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Gilgamesh

Gilgamesh(ギルガメッシュ)は、1972年にイギリスで結成されたカンタベリー・ロック/ジャズ・ロック・バンドだ。キーボード奏者・作曲家のアラン・ゴーウェンが中心となり、Hatfield and the Northとともに、のちの名カンタベリー・スーパーグループ「ナショナル・ヘルス(National Health)」を結成する重要な母体のひとつとなった。

結成の経緯

アラン・ゴーウェンは、ジェイミー・ミューア(のちにキング・クリムゾンへ加入)やアラン・バロウマンとのバンドを経て、1972年にGilgameshを立ち上げた。初期ギターのリック・モラコンブの後任としてフィル・リーが加入し、ベースにジェフ・クライン、ドラムにマイク・トラヴィスが入ることでバンドの基本形が固まった。短期間ながらニール・マーレイやモント・キャンベルも在籍している。

音楽的特徴

Gilgameshの音楽は、変拍子を多用した複雑な構成と、ジャズ由来の即興性を組み合わせている。エレクトリック・ピアノ、クラヴィネット、シンセサイザーを使った鍵盤の動きが中心にあり、そこへギター、ベース、ドラムが細かく絡み合う。カンタベリー系らしい編成ではあるが、単なるジャズ・ロックの枠には収まらない、作曲主導の室内楽的アンサンブルが特徴だ。

Hatfield and the Northとの関係

1973年秋には、カンタベリー・シーンの盟友であるHatfield and the Northと合同ライブを行った。総勢8名による「ダブル・カルテット」形式での演奏が行われ、両者の音楽的な絆の深さを示す象徴的な出来事となった。その後、この交流はアラン・ゴーウェンとデイヴ・スチュワート(Dave Stewart)によるナショナル・ヘルス(1975年結成)へと発展していった。

主要作品

代表作としてまず挙げられるのが、1975年の1stアルバム『Gilgamesh』だ。デイヴ・スチュワートが共同プロデュースを担当し、アラン・ゴーウェン、フィル・リー、ジェフ・クライン、マイク・トラヴィスが参加。ゲストにはノーザネッツのアマンダ・パーソンズらも加わった。緻密に組まれた楽曲構成と、ジャズの語法を生かした演奏が前面に出た、カンタベリー・ジャズ・ロックの傑作である。

2ndアルバム『Another Fine Tune You've Got Me Into』は1978年作で、ナショナル・ヘルスを一時離脱したゴーウェンが制作した。ここでは元ソフト・マシーンのヒュー・ホッパーとトレヴァー・トムキンスがリズム隊として参加し、フィル・リーも加わっている。1作目よりも編成が引き締まり、よりタイトなジャズ・フュージョン寄りのアプローチを見せている。

2000年には『Arriving Twice』が登場し、1973年から1975年にかけての未発表デモやBBCラジオ・セッション音源が陽の目を見た。公式アルバムとは異なる初期の息吹を伝える貴重なアーカイブとなっている。

メンバーと周辺人物

  • Alan Gowen - エレクトリック・ピアノ、シンセサイザー、ピアノ(1981年没)
  • Phil Lee - ギター
  • Mike Travis - ドラムス(2023年没)
  • Jeff Clyne - ベース(元ニュークリアス、2009年没)
  • Hugh Hopper - ベース(2ndアルバムに参加、元ソフト・マシーン、2009年没)
  • Trevor Tomkins - ドラムス(2ndアルバムに参加、2022年没)
  • Neil Murray - 初期に在籍したベーシスト
  • Mont Campbell - 初期に在籍したベーシスト(元エッグ)
  • Dave Stewart - 1stアルバムの共同プロデューサー、ナショナル・ヘルス創始者

後世への影響

アラン・ゴーウェンは1981年に白血病のため33歳で亡くなったが、Gilgameshで提示した緻密な作曲技法と叙情的な旋律は、カンタベリー・シーンのひとつの到達点として今なおプログレッシブ・ロック/ジャズ・ロック界で敬愛されている。ゴーウェンの死後には、ナショナル・ヘルスのメンバーが集結して彼の未発表曲を録音したトリビュート・アルバム『D.S. al Coda』(1982年)が制作されたことからも、同時代の音楽家たちから寄せられた信望の厚さがうかがえる。

ジャンル・スタイル

Jazz Rock Fusion Jazz-Rock Prog Rock
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