Gilgamesh - Gilgamesh (1975)
Gilgamesh『Gilgamesh』
1975年に録音されたギルガメッシュの1stアルバム『Gilgamesh』は、カンタベリー・シーンの終盤に登場した英国のジャズ・ロック/プログレ・バンドの出発点として位置づけられる作品だ。中心にいるのはキーボード奏者アラン・ゴーウェンで、当時の編成はゴーウェン、フィル・リー(ギター)、ジェフ・クライン(ベース)、マイク・トラヴィス(ドラムス)。録音とミックスは1975年5月、The Manorで行われた。
制作背景と録音の経緯
このアルバムは、ヴァージン傘下のCarolineから出た作品で、ヴァージン所有のManor Studiosの空き時間を使って録音された。共同プロデューサーにはHatfield and the Northのデイヴ・スチュワートが参加しており、後にNational Healthへつながるゴーウェンとの協働の始点にもなっている。収録曲のうち「Worlds of Zin」と「Jamo and Other Boating Disasters」では、アマンダ・パーソンズの声が加わったことも確認されている。
収録曲としては、冒頭の組曲「One End More / Phil’s Little Dance / Worlds of Zin」、ベース主導の「Lady and Friend」、短い橋渡しの「Arriving Twice」、夜想的な響きで語られる「Island of Rhodes」などが並ぶ。こうした曲構成や参加者の組み合わせは、当時の制作現場のつながりをそのまま反映している。
時代の文脈
本作は、1970年代半ばの英国で、カンタベリー系の複雑なジャズ・ロックがまだ続いていた時期の記録でもある。AllMusicでは、ギルガメッシュは「カンタベリー・シーンの黄昏期」に現れたバンドとして扱われている。バンドの周辺にはHatfield and the NorthやEgg系のミュージシャンが交錯しており、ギルガメッシュの活動はその流れの中にある。
また、この作品はアラン・ゴーウェンのキャリアでも重要な位置を占める。のちにNational Healthへとつながるスチュワートとの協働が始まった場であり、ギルガメッシュという名前自体が、その後の展開を考えるうえで前史として語られることが多い。
後年の再評価
直接的なカバーやサンプリングの記録は見当たらないが、再発を通じて見直された作品ではある。AllMusicのDave Lynchは、このアルバムを「十分に持ちこたえる」作品として扱い、Esoteric再発盤のレビューでもCD化を経て重要作として再認識された流れがうかがえる。
後続作『Arriving Twice』の解説では、本作収録曲の再演や、1973年から1975年のデモ、BBCセッションがまとめて扱われ、初期ギルガメッシュの輪郭が補強されている。つまり『Gilgamesh』は、単独のデビュー作というだけでなく、その後の再演や資料整理を通じて初期像がたどられてきたアルバムでもある。
補足
AllMusicのレビューでは、「One End More / Phil’s Little Dance / Worlds of Zin」の機動的な主題展開と複雑な切り返し、「Lady and Friend」のベース主導の旋律美、「Arriving Twice」の短い詩的なつなぎ、「Island of Rhodes」の夜想的な響きが挙げられている。JMAのSean Traneも、Hatfield系に近い一方で、よりジャズ寄りで粗さのある音像として捉えている。
商業的な数字については主要チャート入りの記録は確認されていない。だが、カンタベリー/ジャズロックの流れの中で語られ続けている1枚であることは確かだ。
トラックリスト
- A1 10:20
- A1.1 One End More
- A1.2 Phil's Little Dance - For Phil Millers Trousers
- A1.3 Worlds Of Zin
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- A2 Lady And Friend 3:41
- A3 Notwithstanding 4:44
- B1 Arriving Twice 1:34
- B2 6:38
- B2.1 Island Of Rhodes
- B2.2 Paper Boat
- B2.3 As If Your Eyes Were Open
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- B3 For Absent Friends 1:09
- B4 3:45
- B4.1 We Are All
- B4.2 Someone Else's Food
- B4.3 Jamo And Other Boating Disasters (From The Holiday Of The Same Name)
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- B5 Just C 0:45