Vinyl Record Reviews
Jimmy McGriff(ジミー・マグリフ)は、1936年4月3日にアメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれたオルガン奏者だ。ジャズ、ファンク/ソウルの領域で活動し、特にジャズ・ファンク寄りの演奏で知られている。2008年5月24日にフィラデルフィアで亡くなっている。
マグリフは5歳でピアノを始め、その後ヴィブラフォン、アルト・サックス、ドラム、ウッドベースも身につけた。のちに主役の楽器になったのはハモンド・オルガンで、1956年に最初のハモンドB-3を購入している。
オルガンに向かうきっかけとしては、幼なじみのジミー・スミスと、リチャード・“グルーヴ”・ホームズの存在が挙げられている。ホームズはマグリフの姉の結婚式で演奏しており、その姿に刺激を受けたという。
また、ジュリアード音楽院で学び、ミルト・バックナーやソニー・ゲイトウッドにも個人的に師事した。演奏の土台を広げながら、オルガン奏者としての方向を固めていった流れが見える。
転機になったのは1961年の「I've Got a Woman」だ。レイ・チャールズの曲をオルガン・インストで録音し、小さなレーベルから出たこの録音がSue Recordsに引き取られてヒットした。ここで、ブルースに根ざしたソウル・ジャズのオルガン奏者として名前が広がっていく。
以後、1960年代から1980年代にかけて、Solid State、Blue Note、Groove Merchant、Milestoneなどに多くの作品を残している。活動の幅は広いが、中心にあるのはハモンド・オルガンを使ったソウル・ジャズとジャズ・ファンクの演奏だ。
マグリフの演奏は、ブルースに近い感覚を土台にしたオルガン・サウンドが軸になっている。ソウル・ジャズの流れにありながら、リズムの強さを前に出したジャズ・ファンク寄りの作品も多い。
1970年代半ばから後半にかけては、エレクトリック・ピアノや他の鍵盤楽器でもたびたび起用されている。ハモンド・オルガンだけに限らず、鍵盤全体を使って現場に対応していたことがうかがえる。
1986年以降は、アルト・サックス奏者ハンク・クロフォードとの双頭名義の作品を重ねている。Milestoneに5作、Telarcに2作を残しており、晩年まで継続して録音活動を続けた。
ウェブ上の資料でも、マグリフはジャズ・オルガンの重要な人物として扱われている。ジミー・スミスやリチャード・“グルーヴ”・ホームズと並べて語られることも多く、ハモンド・オルガンを使ったソウル・ジャズ/ジャズ・ファンクの流れを整理するうえで外せない存在だ。
フィラデルフィアで生まれ、同じ街で生涯を終えたマグリフは、オルガン奏者としてのキャリアを通して、ブルース、ソウル、ジャズをつなぐ演奏を残している。