Vinyl Record Reviews
Kalabanは、1975年にアメリカ・ユタ州プロヴォで結成されたシンフォニック・プログレッシヴ・ロック・バンドだ。1998年にいったん解散し、2007年に再結成している。メンバーはGary Stout、Randy Graves、Michael Stout、David Thomas。
バンド名のKalabanは、フランク・ハーバートのSF小説『ドサディ実験星』に登場する概念「Caleban」に由来するとされている。バンド自身は、シェイクスピア『テンペスト』のキャリバンとは無関係だと説明している。
作品面では、1990年に『Don't Panic』、1993年に『Resistance Is Useless』を発表している。どちらの作品でもGary Stoutがドラムスとパーカッションを担当している。1998年に活動を止めたあと、2007年に再始動し、2017年7月には『Edge of Infinity』をリリースしている。ほかに『Turn to Flame』もある。
Kalabanの音楽は、Prog RockとSymphonic Rockを軸にした構成で、長尺曲を含むアルバム作りが目立つ。『Don't Panic』では「Midnight Comet Dreams」「Mutants Over Miami」「Procyon's Demise」など、10分を超える曲が並ぶ。
バンドは、自分たちの音楽を「聴き手が頭の中で自分だけの映画を思い描けるような、サウンドトラック的な音楽」と説明している。実際、曲名やアルバム名からは、SFやファンタジー作品とのつながりが見えてくる。Prog Archivesでは、『銀河ヒッチハイク・ガイド』やスティーヴン・R・ドナルドソンの壮大なファンタジー小説に触発されたバンドとして紹介されている。
紹介文やレビューでは、旋律や編曲に本格的なアカデミックさがありながら、ギターの弾き方にはストリート的な感触もあると評されている。シンフォニック・ロックらしい構成の整理された部分と、ロックバンドとしての手触りが同居している点が、Kalabanの特徴として挙げられる。