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Kormorán(コルモラーン)は、1976年にハンガリー・ブダペストで結成されたフォーク・ロック/プログレッシブ・ロック・バンド。ハンガリー音楽界において、中東欧の豊かな伝統民俗音楽と、西欧のダイナミックなプログレッシブ・ロックを本格的に融合させた最初のパイオニアとして知られる。
創設者にしてリーダーのコルタイ・ゲルゲイ(Koltay Gergely、1952年生まれ)は、名門フランツ・リスト音楽院でフルートを専攻した名奏者である。1970年代初頭、トランシルヴァニア地方などに残る古謡や伝統舞曲を採集・再興した伝説的な民俗音楽運動「ターンツハーズ(ダンスハウス)運動」の先頭に立ったシェブー・アンサンブル(Sebő Együttes)に参加していた。
しかし、アコースティックな伝統音楽の純粋保存にとどまらず、エレクトリック・ギターやドラムスを取り入れた現代的なロックの躍動感と融合させる新たな表現を模索し、1976年にKormoránを結成した。
Kormoránのサウンドの真骨頂は、中東欧の土着的な伝統楽器と、重厚なロック・アンサンブルの壮大な調和にある。バグパイプ(ドゥダ)、ハーディ・ガーディ(テケルーラント)、ツィター、トルコ笛(テレクシープ)、ヴァイオリンといった民族楽器の哀愁あふれる音色に、ディストーション・ギター、シンセサイザー、力強いリズム隊が絡み合い、独自のエスノ・ロックを構築した。
さらに、ペテーフィ・シャーンドルやヨージェフ・アッティラといったハンガリーを代表する詩人の詩を歌詞に採り入れ、民族の歴史や哀愁、自由への渇望を重厚なプログレッシブ・ロックへと昇華させた点も高い評価を受けている。
1980年代以降、Kormoránは劇場舞台や映画音楽の分野でも絶大な存在感を示した。特に1983年に上演されたハンガリー史上最大の国民的ロック・オペラ『イシュトヴァーン王(István, a király)』において音楽制作の重要なバックボーンを担ったほか、劇作品『A költő visszatér(詩人は帰る)』や歴史大作映画『Honfoglalás(征服)』の劇伴を手がけた。
通算100作近いスタジオ・アルバムや舞台作品を発表し、ハンガリーの文化的アイデンティティを音楽で表現し続けてきた。リーダーのコルタイ・ゲルゲイはその多大な功績により、ハンガリー国家最高峰の芸術賞であるコシュート賞(Kossuth-díj)を受賞。中東欧エスノ・ロック/フォーク・ロックの最高峰として、世代を超えて敬愛されている。