Vinyl Record Reviews
Arthur Brownは、1942年6月24日にイングランドのウィットビーで生まれたシンガーだ。ジャンルはElectronic、Rockにまたがり、スタイルとしてはExperimental、Psychedelic Rock、Prog Rockに位置づけられている。
「The God Of Hellfire」の異名でも知られ、強いメイク、炎を上げるヘルメット、オペラ的な歌唱、突き刺すような絶叫を組み合わせたステージで注目を集めた。
Arthur Brownは、自身のバンドThe Crazy World of Arthur Brownで活動を広げた。作品は、The Whoのマネージャーだったキット・ランバートのプロデュースを受け、Track Records周辺から発表されている。
1968年のシングル「Fire」は大きなヒットになり、全英1位、全米Billboard Hot 100で2位を記録した。100万枚以上を売り上げ、ゴールド・ディスクも獲得している。同名アルバムも全英2位を記録した。
Arthur Brownの名前を語るうえで、音楽だけでなく見た目と演出も重要だ。フェイス・ペイント、ダンス、燃えるヘルメットを組み合わせたパフォーマンスは、当時としてもかなり前面に出たものだった。
このスタイルは、後のショック・ロックにも影響を与えたとされていて、アリス・クーパーのようなアーティストの系譜を考えるうえでも外せない存在になっている。
1970年代前半には、バンドKingdom Comeを率いて3枚のアルバムを発表している。中でも1973年の『Journey』は、ベントレー・リズム・エースのドラム・マシンを早い段階で導入した作品として知られている。
この時期の活動では、ロックの枠に電子的な要素を持ち込む動きも見えてくる。ジャンル表記にElectronicが入っているのも、こうした経歴とつながっている。
Arthur Brownは1975年の映画『トミー』で司祭役として出演している。また、電子音楽家クラウス・シュルツェとも共演している。ロック、映画、電子音楽のあいだを行き来する活動が確認できる。
「Fire」は1992年にプロディジーのレイヴ・トラック「Fire」でサンプリングされた。こうした形で、1960年代の楽曲が1990年代のエレクトロニック・ミュージックに接続されている。
また、プログレッシブ・ロック、ヘヴィメタル、エレクトロニック・ミュージックにまたがる影響力があるとされ、2005年にはClassic Rock誌の「Showman of the Year」を受賞している。