Vinyl Record Reviews
Neuroniumは、1976年にスペイン・バルセロナで結成された電子音楽グループだ。中心人物は、ベルギー生まれでバルセロナに移り住んだシンセシスト、Michel Huygenである。結成時のメンバーには、キーボード/シンセサイザー担当のCarlos Guirao、マルチ奏者のAlbert Giménezもいた。
初期のNeuroniumは、サイケデリック・ロックから出発し、その後コズミック系の電子音楽へと向かっていく。1977年にはEMI-Harvestからデビュー作『Quasar 2C361』を発表し、これはスペインで録音された最初期の「コズミック・ミュージック」のスタジオ・アルバムとして扱われている。翌1978年には『Vuelo Quimico』をリリースした。
Albert Giménezが離脱した後はデュオ体制になり、1980年の『Digital Dream』と1981年の『The Visitor』では、ゲスト・ギタリストとしてSanti Picoが参加している。1982年の『Chromium Echoes』発表後にCarlos Guiraoがグループを離れ、その後のNeuroniumはMichel Huygenの名前と強く結びつく形で活動を続けた。
1983年から1996年にかけては、HuygenとSanti Picóのデュオとして活動した時期が長く、いくつかの作品ではHuygenのソロ作がNeuronium名義で出されている。Picóは1999年の『Alienikon』にも参加し、2008年にはライヴにも復帰している。
また、Neuronium(HuygenとGuirao)は1981年にVangelisと共演し、その録音は後に『A Separate Affair』として1996年に発表された。1980年の『Digital Dream』では、Klaus Schulzeが無償でリミックスを担当したものの、法的な事情から最終的にはグループ自身のミックスが採用された、という経緯も残っている。
HuygenはNeuroniumの音楽を「psychotronic music」「cosmic electronic music」と表現している。実際、グループの作品はアンビエント、スペース・ミュージック、ニューエイジ、プログレッシヴ・エレクトロニックの要素を含みながら展開していく。シンセサイザーを軸にした長尺の音像づくりが、このグループの基本にある。
活動初期のコズミック路線から、後年のアンビエント寄りの作風まで、電子音楽の中でも幅のある領域をまたいでいる。スペインの電子音楽史の中では、Neuroniumのデビュー作『Quasar 2C361』が重要な位置を占める形で語られている。
1986年5月には、Huygenがスペインのソフィア王妃から、マドリードのソフィア王妃芸術センターの電子音楽部門の責任者に任命されている。2001年には『Hydro』を発表し、これは15万枚以上を売り上げ、Huygenにとって最大のヒット作になった。
2002年には自身のレーベルNeuronium Recordsを設立し、自作だけでなく、Suzanne Ciani、Constance Demby、Jonn Serrieらアンビエント/スペース・ミュージック系アーティストの作品も扱っている。ジャケット・アートやステージ映像はヴィジュアル・アーティストのTomás C. Gilsanzが担当し、「音楽以外の面でのNeuroniumの一員」とされている。
Neuroniumは、メンバーの入れ替わりを経ながらも、Michel Huygenを中心に活動が続いてきたグループだ。スペイン発の電子音楽、特にコズミック・ミュージックやアンビエントの流れをたどるうえで、名前の挙がることが多い存在である。
公式サイトでは、作品や活動の情報を追うことができる。