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Nohelani Cypriano(ノヘラニ・シプリアーノ)は、ハワイ州ホノルル出身のシンガーソングライター/ピアニスト。ハワイの伝統的なアイランド・ミュージックの情緒と、洗練されたソウル、ファンク、ディスコ、AORを卓越したセンスで融合させ、「アイランド・メロウ・ソウル」の最高峰として世界的な支持を集める女性アーティストである。夫であるキーボード奏者デニス・グラウエとの共作による名曲「Lihue」をはじめ、都会的なグルーヴとハワイの風が溶け合った作品群は、1970年代ハワイアン・コンテンポラリー/AORの不滅の金字塔として今なお輝きを放ち続けている。
ハワイの伝説的ギタリスト兼エンターテイナーであるジョニー・シプリアーノを父に持ち、幼少期からポリネシアン・ミュージックとアメリカン・ポピュラー音楽が日常にある恵まれた音楽環境で育った。高校時代からプロとしてのステージに立ち、ハワイアン・ミュージック特有の優美なヴォーカル・コントロールと、ソウルやR&Bの躍動的なフィーリングを併せ持つ独自の歌唱スタイルを確立していった。
彼女のキャリアを決定づけたのは、名アレンジャー/鍵盤奏者であり後に夫となるDennis Graue(デニス・グラウエ)との運命的な出会いであった。当時セシリオ&カポノのバックを務めていたグラウエがカウアイ島リフエへの想いを込めて作曲したトラックに、シプリアーノが歌詞とメロディを紡ぎ出し、名曲「Lihue」が誕生。1977年にハワイの名物ラジオ局が企画したコンピレーション・アルバム『Home Grown II』に収録されると爆発的なヒットを記録し、ノヘラニ・シプリアーノの名は一躍ハワイ全土に轟くこととなった。
1979年にHanaOla Recordsからリリースされたソロ・デビュー・アルバム『Nohelani』は、ハワイアンAOR/アイランド・ソウルの頂点に君臨する大傑作である。代表曲「Lihue」のフル・ヴァージョンをはじめ、甘美なメロウ・ソウル「Give Love A Try」、ハワイアン・スタンダードを軽快なディスコ・ファンクへと仕立て直した「Moon of Manakoora」など、全編にわたって極上のアイランド・グルーヴが展開される。ハワイの雄大な自然を想起させるオーガニックな空気感と、1970年代後半の洗練されたアーバン・ソウル/ディスコが見事に調和したサウンドは、彼女にしか生み出せない唯一無二の魅力を湛えている。
1980年代以降も『In the Middle of the Night』(1984年)などの秀作を発表し、ハワイ音楽界最高峰の栄誉である「ナ・ホク・ハノハノ賞」を受賞するなど第一線で活躍を継続。1990年代以降は日本の「フリーソウル(Free Soul)」ムーヴメントや、ハワイの豊かな音楽遺産を世界に紹介するレーベル「Aloha Got Soul」、さらに世界中のレア・グルーヴ/バレアリックDJたちによって「Lihue」を中心に熱狂的な再評価が巻き起こった。ハワイのローカル・シーンの枠を越え、世界のソウル/AORファンから熱烈に愛されるタイムレスなディーヴァとして君臨している。