Vinyl Record Reviews
Oliver Cheatham(オリヴァー・チータム、1948年2月24日 - 2013年11月29日)は、アメリカ・ミシガン州デトロイト出身のソウル/R&Bシンガー。1983年に放った不朽のブギー・アンセム「Get Down Saturday Night」のヒットで知られ、2000年代にはハウス・ミュージックのリバイバルを通じて全英シングル・チャート1位を獲得するなど、時代を超えてダンスフロアを熱狂させ続けた名ボーカリストである。
チータムはゴスペル・シンガーであった母親の影響で幼少期から歌い始め、モータウンの活気に沸く1960年代から70年代にかけて、ザ・ヤング・サーズ(The Young Sirs)、マッド・ドッグ&ザ・パプス、ガスライトといったデトロイトのローカル・グループで経験を重ねた。
その後、本格的なファンク・ロック・バンドであるシンズ・オブ・サタン(Sins of Satan)を結成。バンドはのちにラウンドトリップ(Roundtrip)、さらにオリヴァー(Oliver)と名を変えながらアルバムをリリースし、チータムはその卓越した歌唱力でフロントマンとしての確固たる地位を築いた。
1980年代初頭、チータムはMCA Recordsとソロ契約を結び、デトロイトの盟友であるファンク・バンド「ワン・ウェイ(One Way)」のベーシスト兼名ソングライター、ケヴィン・マッコード(Kevin McCord)、およびプロデューサーのアル・パーキンスと強力なタッグを組んだ。
1983年春に発表されたシングル「Get Down Saturday Night」は、マッコードの手によるうねるようなスラップ&シンセベースと、チータムの張りのあるソウルフルなハイトーン・ヴォーカルが奇跡的な融合を果たした80sブギー/ディスコ・ファンク史上の最高峰である。米ビルボードR&Bチャートおよび全英チャートで大ヒットを記録し、同年の傑作アルバム『Saturday Night』とともに彼の代名詞となった。
2000年代に入ると、チータムの歌声はハウス・ミュージックの文脈で爆発的な再評価を果たす。2003年、イタリアのハウス・プロデューサーであるヴィト・ルチェンテのプロジェクト「Room 5」が本曲をサンプリングし、チータム自身をフィーチャーした「Make Luv」をリリース。これが全英シングル・チャートで4週連続1位を記録する世界的モンスター・ヒットとなり、新世代のクラブ・シーンでも一躍脚光を浴びた。
さらに、ダフト・パンク(Daft Punk)やマイケル・グレイといったフレンチ・フィルター・ハウスやニュー・ディスコのプロデューサーたちからも永遠のフロア・キラーとして愛され続け、現在に至るまで無数のサンプリングやエディットの源泉となっている。2013年に65歳で惜しまれつつ世を去ったが、土曜の夜の歓喜と躍動を体現したそのボーカルは、不滅のクラブ・クラシックとして今なお輝き続けている。