Vinyl Record Reviews
George Duke(1946年〜2013年)は、アメリカ・カリフォルニア州サンラファエル出身のキーボード奏者、作曲家、プロデューサーだ。ジャズ、フュージョン、ファンク、R&B、ディスコをまたいで活動し、演奏家としても制作側としても多くの作品を残した。
1967年にサンフランシスコ音楽院でトロンボーンと作曲の学士号を取得し、1975年にはサンフランシスコ州立大学で作曲の修士号も取得している。音楽教育を受けたうえで、演奏と制作の両方に軸足を置いていった経歴が確認できる。
キャリアの初期には、フランスのヴァイオリニストJean-Luc Pontyとの共演で注目を集めた。その演奏をきっかけに、Frank ZappaとCannonball Adderleyからそれぞれのバンドに招かれている。Zappa率いるMothers of Inventionには一度離れたあとに再加入し、キーボード奏者として重要な役割を担った。
1977年から1984年にかけては、Epicから一連のソロ作品を発表している。この時期の代表作として挙げられる『Reach For It』は、ジャズ・ファンク路線での転機になった作品として知られている。クラブ向けの文脈だけでなく、より大きな会場へ活動の場を広げた点も特徴だ。
1979年の『A Brazilian Love Affair』では、ブラジル音楽への関心が前面に出ている。ジャズやファンクを基盤にしながら、別のリズムや感触を取り込んでいく姿勢が見える作品だ。
1981年以降は、ベーシストのStanley ClarkeとClarke/Duke Projectとしても活動している。両者の共作は継続的に行われ、最初のシングルはBillboard Hot 100で19位、R&Bチャートで6位を記録した。ジャズ畑のミュージシャン同士のプロジェクトとしては、ポップスやR&Bのチャートでも結果を残した点が目立つ。
1980年代以降は、プロデュース業でも存在感を強めていく。A Taste of Honeyの「Sukiyaki」、Jeffrey Osborneの作品、Deniece Williamsの全米1位ヒット「Let's Hear It For The Boy」などを手がけた。演奏者としての活動に加えて、ヒット曲の制作にも関わっていたことがわかる。
また、いとこのジャズ・シンガーDianne Reevesの作品も多くプロデュースしている。2001年にはグラミー賞受賞作『The Calling』のプロデュースを担当した。グラミー賞には計9回ノミネートされ、2回受賞している。
George Dukeの音楽は、ジャズを土台にしながら、フュージョン、ファンク、R&B、ディスコまで行き来するところに特徴がある。キーボード奏者としての技術だけでなく、ソングライティングや編曲、プロデュースの面でも幅広く活動していた。
ウェブ上で確認できる活動歴を見ると、Jean-Luc Ponty、Frank Zappa、Stanley Clarke、Billy Cobham、Cannonball Adderley、Deniece Williams、Jeffrey Osborne、George Clinton、Anita Baker、Regina Belle、Rachelle Ferrell、Marilyn Scottなど、多様なアーティストと関わっている。ジャズ寄りの現場だけに留まらず、R&Bやファンクの文脈でも仕事をしていたことが読み取れる。
George Dukeは2013年8月5日、慢性リンパ性白血病のためロサンゼルスで死去した。67歳だった。演奏家、作曲家、プロデューサーの3つの役割をまたいで活動した音楽家として記録されている。