Vinyl Record Reviews
Polymoon(ポリムーン)は、フィンランド・タンペレを拠点に活動するコズミック・スペース・ロック/プログレッシブ・サイケデリック・ロック・バンドだ。2018年秋に結成され、Kalle-Erik Kosonen(ボーカル/シンセサイザー)、Jesse Jaksola(ギター)、Otto Kontio(ギター)、Juuso Valli(ベース)、Tuomas Heikura(ドラム)の5人で活動している。
2020年、フィンランド屈指のアンダーグラウンド/ヘヴィ・サイケの名門レーベルSvart Recordsよりデビュー・アルバム『Caterpillars of Creation』を発表した。70年代のプログレッシブ・ロックやスペース・ロックの壮大な意匠を軸に据えつつ、多層的なシンセサイザーのレイヤーと重厚なファズ・ギターを融合させたサウンドで、欧州のサイケ・ロック愛好家の間で大きな注目を集めた。
2023年には、ドイツ・ベルリンのストーナー/サイケ・ロック・バンドKadavarが主宰するレーベルRobotor Recordsへ移籍し、セカンド・アルバム『Chrysalis』をリリースした。本作ではポリリズミックなグルーヴと緻密なメロディワークが格段に進化を遂げ、バンド独自のコズミックな世界観を一段と深めた。
Polymoonのサウンドは、Pink FloydやKing Crimsonを想起させる70年代プログレッシブ・ロックの構築美と、Hawkwind直系のスペース・ロックの疾走感を土台としている。そこにシューゲイザーの陶酔的なフィードバック・ノイズやクラウトロック特有の反復ビートが絶妙に織り込まれている。
轟音ファズとシンセサイザーが織りなす圧倒的な音の壁、そして宇宙的な広がりを感じさせる浮遊感あふれるボーカルが共鳴し、北欧新世代のサイケデリック・シーンを牽引する旗手としてヨーロッパ全土で確固たる評価を築いている。