Vinyl Record Reviews
Reign Ghost(レイン・ゴースト)は、1960年代後半にカナダ・オンタリオ州オシャワで活動したサイケデリック/アシッド・ロック・バンドだ。メンバーは固定ではなく、ボブ・ブライデン、リンダ・スクワイアーズ、ジム・ストライト、デイヴ・ヘア(Dave Hair/Dave Hare)、ジェリー・デュフェク、リッチ・リヒターなどが時期ごとに出入りしていた。
活動の出発点には、1967年にオシャワで活動していた「The Christopher Columbus Discovery of New Lands Band」がある。ここに在籍していたボブ・ブライデン(Bob Bryden)と女性シンガーのリンダ・スクワイアーズ(Lynda Squires、1951年1月22日生まれ)が、1968年の解散後に地元のライバル・バンドだったReign Ghostへ合流し、本格的な活動につながった。ブライデンはギターとヴォーカル、スクワイアーズはヴォーカルとカズーを担当していた。
その後は人員の入れ替わりが続き、ギタリストのジム・ストライト、キーボード奏者のデイヴ・ヘア、ドラマーのボブ・ストライト、さらにコロンバス時代の仲間であるベーシストのジョー・ギャラントやジェリー・デュフェク、ラス・アーマンなどが参加している。
1968年後半、Reign Ghostはジャック・ボズウェル(Jack Boswell)が主宰するトロントのインディペンデント・レーベル、Allied Record Corporationと契約した。翌1969年1月に、同レーベルの「Record No. 12」シリーズからセルフタイトルのデビュー・アルバム『Reign Ghost』を発表している。
この作品では、ボブ・ブライデンとリンダ・スクワイアーズの男女ツイン・ヴォーカルが中心になっている。そこにファズ・ギター、オルガン、実験的なコラージュ感覚が重なり、ガレージ色の強いサイケデリック・ロックを作っていた。ジェファーソン・エアプレインやイッツ・ア・ビューティフル・デイと比較されることもあるが、Reign Ghostの場合は、よりダークで荒さのある音像と生々しい演奏が目立つ。
デビュー作の発表後、第1期のラインナップはいったん解散した。その後、ブライデンとスクワイアーズは、ドラマーのヘルゲ・“リッチ”・リヒター、ベーシストのラス・アーマンを迎えて4人編成で再始動する。1969年後半にセカンド・アルバム『Reign Ghost Featuring Lynda Squires』を録音し、1970年中頃にAllied傘下のParagonレーベルからリリースした。
この作品ではオルガンが外れ、ソリッドなギター・トリオと女性ヴォーカルを軸にした編成になっている。音の作りとしては、フォーク・ロック寄りの叙情性と、ヘヴィなアシッド・ロックの即興性が前面に出ている。シングル「Long Day Journey / Pudsy's Parable」もこの時期に発表された。
Reign Ghostは、セカンド・アルバムの発売前となる1969年末に再び解散している。リンダ・スクワイアーズは、1969年末からトロントのロイヤル・アレクサンドラ劇場で上演されたミュージカル『Hair』のカナダ・キャスト(Mississauga Tribe)に参加した。その後、音楽プロデューサーのフランク・デイヴィスと結婚している。
一方のボブ・ブライデンは、リッチ・リヒターとともにサイケデリック・ロック・バンド「Christmas」(当初の正式名称はThe Society for the Year Round Preservation of the Spirit of Christmas)を結成し、『Christmas』(1970年)や『Heritage』(1970年)を残している。
Reign GhostのオリジナルLPは、Allied/Paragonからの少数プレスだったため、流通量がかなり限られていた。1991年には、米国のThe Laser's Edgeから2作を1枚にまとめたCDが再発されている。現在では、カナディアン・サイケデリック・ロックの中でも入手困難な名盤として扱われ、世界中のコレクターの間で高く評価されている。