Vinyl Record Reviews
Roy Porter Sound Machine(ロイ・ポーター・サウンド・マシーン)は、1940年代のビバップ黎明期から活躍した伝説的ジャズ・ドラマー、ロイ・ポーター(Roy Porter)が1970年代に米ロサンゼルスで結成したジャズ・ファンク/レア・グルーヴ・グループである。ヘヴィなドラム・ブレイクと躍動するホーンセクションを武器に、自主レーベルから発表した少数の作品が後年のアシッド・ジャズやヒップホップ・シーンで神格化され、現在も世界中のレコード・ディガーやDJから絶大な支持を集めている。
ロイ・ポーター(1923年〜1998年)は、ジャズ史の黎明期において重要な足跡を残した重鎮である。若き日にはチャーリー・パーカーの伝説的なダイアル・セッション(「Yardbird Suite」「Night in Tunisia」等)でドラムを叩き、自ら率いたビッグバンドには若き日のエリック・ドルフィーやアート・ファーマーを擁するなど、ビバップの発展に深く寄与した。
1960年代末、時代がファンクへと移り変わる中でオルガン・トリオのRoy Porter Soundsを結成。その後、ホーン隊やパーカッションを大幅に増強して大型編成のRoy Porter Sound Machineへと発展させた。名手ヘンス・パウエル(Hense Powell)ら気鋭のミュージシャンを配し、ビバップ仕込みの正確無比なリズムキープにストリートのファンクネスを注入した独自のアンサンブルを完成させた。
1970年代半ば、自主レーベルChelanおよびBel-Adから発表した2枚のアルバムは、ジャズ・ファンク/レア・グルーヴ史における最高峰のマスターピースとして知られる。
1973年のファースト・アルバム『Jessica』は、哀愁を帯びたマイナー調のホーンが疾走するタイトル曲「Jessica」や「Funky Twitch」など、ブラックスプロイテーション映画音楽を想起させる泥臭くも洗練された世界観を構築した。
続く1975年のセカンド・アルバム『Inner Feelings』は、レア・グルーヴの究極盤として世界中で崇められている。冒頭から強烈無比なドラム・ブレイクが炸裂するキラー・チューン「Party Time」や、太くうねるベースラインと力強いブラスがフロアを沸かせる「Panama」など、全編にわたって圧倒的なグルーヴが凝縮されている。
ポーターは呼吸器系の持病により1978年に演奏活動から退き、1998年に生涯を閉じたが、1990年代以降のアシッド・ジャズ/レア・グルーヴ・ムーブメントにおいてその作品は劇的な再発見を果たした。DJ Spinnaをはじめとする世界中のトップDJやビートメイカーによってサンプリングやエディットが施され、正規復刻盤も繰り返しリリースされている。半世紀以上を経た現在も、ダンスフロアを熱狂させるジャズ・ファンクの至宝として燦然と輝き続けている。