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The Chambers Brothersは、Rock、Funk / Soulの文脈で語られるアメリカのロック・ソウル・グループだ。メンバーはLester Chambers、Willie Chambers、Joseph Chambers、Brian Keenan、George Chambers、Gregg Dickersonで、中心はミシシッピ州カーセッジ出身のGeorge、Willie、Lester、Joeの4兄弟になる。
4人はバプテスト教会の聖歌隊で歌い始め、1950年代半ばにロサンゼルスへ移ってからは、ゴスペルやフォークを演奏するようになった。出発点が教会音楽にあることは、その後のハーモニーの組み立て方にもつながっている。
転機になったのは1965年7月のニューポート・フォーク・フェスティバルだ。ここでブルース・ドラマーのSam Layを従えた演奏が大きな反応を呼んだ。その後、白人ドラマーのBrian Keenanが加わり、黒人の兄弟と白人ドラマーという混成編成になった。
この編成は当時としてはかなり珍しく、バンドの見え方にも影響した。演奏面では、ゴスペル由来のハーモニーにソウルの推進力を合わせ、さらにファズ・ギターやエコーを使ったサイケデリック・ロックの要素を重ねていった。
The Chambers Brothersの音は、単に「ソウル寄りのロック」というだけでは収まらない。歌の面では、兄弟ならではのコーラスとゴスペルの流れがはっきりしていて、演奏ではリズムの押し出しが強い。そこにサイケデリックな処理が入ることで、同時代のR&Bやロックとは少し違う輪郭が生まれている。
ライヴ・バンドとして高く評価されたのも、この組み合わせが大きい。曲の構成だけでなく、音の重ね方やエコーの使い方が、ステージでの勢いと結びついていた。
1967年11月にColumbiaから発表したアルバム『The Time Has Come』は全米トップ10入りし、グループ初のゴールド・ディスクになった。ここに収録された「Time Has Come Today」が、The Chambers Brothersを代表する楽曲だ。
この曲は、2つのカウベルが刻む「チクタク」のリズムを軸に、エコーやテンポの変化で音像を変えていく11分の大作として知られている。シングル用に短く編集された版は1968年にBillboard Hot 100で11位を記録した。
サイケデリック・ソウルを語るうえで、この曲は外せない。映画『帰郷(Coming Home)』で使われ、Ramonesを含む多くのアーティストにカヴァーされている。
続く『A New Time – A New Day』(1968年)からは、Otis Reddingのカヴァー「I Can't Turn You Loose」がトップ40入りした。ここでも、ソウルの曲をバンドの持ち味で再構成するやり方が見える。
ただし、『Love, Peace and Happiness』(1969年)以降は、商業的な勢いは続かなかった。1972年の『Oh My God!』を最後にいったん解散し、1975年に再結成して『Unbonded』を発表している。
解散後、WillieとJoeはセッション・ミュージシャンとして活動した。Georgeはゴスペルの世界に戻っている。バンドの出自を考えると、それぞれの進路にもつながりが見えてくる。
長兄のGeorgeは2019年に88歳で、Joeは2024年に81歳で亡くなっている。
The Chambers Brothersは、ゴスペル、ソウル、ロック、サイケデリックの要素をつないだグループとして記憶されている。特に「Time Has Come Today」は、サイケデリック・ソウルの代表曲として扱われることが多い。
教会音楽から出発し、フォーク・フェスティバルを経て、ロックの文脈でも存在感を示した流れは、このバンドの活動歴を追ううえで重要だ。ライヴで評価され、録音作品でも強い印象を残したグループとして、今も名前が挙がることが多い。