Vinyl Record Reviews
The Jammersは、リッチー・ウィークスを中心に結成されたディスコ/ブギー・プロジェクトだ。ジャンルとしてはElectronic、Funk / Soulにまたがり、スタイル面ではBoogie、Discoに位置づけられている。1982年に唯一のアルバム『The Jammers』を残している。
プロフィール情報では、The Jammersはリッチー・ウィークスが率いるワン・アルバムのディスコ・ソウル・アンサンブルとして紹介されている。参加メンバーには、Instant FunkやWeeks & Co.の関係者、さらに当時Salsoul Records周辺で活動していたセッション・ミュージシャンが含まれている。
ウェブ検索で確認できる情報では、The Jammersはブロンクス出身の若手プロデューサー/キーボード奏者/ソングライター、リッチー・ウィークスがSalsoul Records向けに立ち上げたプロジェクトだ。ウィークスはディスコ・バンドWeeks & Co.のメンバーでもあった。
この時期のリッチー・ウィークスは、自身の制作力を前面に出した動きが目立つ。The Jammersでは、作曲、演奏、ミックスまで含めて深く関わっている。
1982年の唯一作『The Jammers』には、複数のミュージシャンが参加している。ヴォーカルはシェルドン・ウィークス、デビー・ブラックウェル・クック、ジョセリン・ブラウンが担当。演奏面では、リッチー・ウィークスと彼の仲間であるレイモンド・アール(ベース)、デニス・リチャードソン(キーボード)、スコッティ・ミラー(ドラムス)ら、Instant Funk系のメンバーが加わっている。
さらに、ロイ・ネイサンソンのサックス、ニューヨーク・シティ・ストリングスのストリングス、バリー・ロジャースのトロンボーン、アール・ガードナーのトランペットなども参加している。録音の多くはシグマ・サウンド・スタジオのニューヨーク拠点で行われ、ミックスはリッチー・ウィークスとシェップ・ペティボーンが担当した。
The Jammersの音は、ディスコの推進力とブギーのリズムを軸にしている。ファンク寄りのベース、キーボードの反復、ストリングスやホーンの配置がはっきりしていて、Salsoul系の制作環境を反映した作りになっている。
代表曲として知られる「Be Mine Tonight」は、1982年にシングルとして発表され、USのR&Bチャートで76位、ダンス・クラブ・チャートで37位を記録している。4分過ぎから長いインストゥルメンタル・ブレイクが入る構成で、ダンス向けの展開が意識されている。
The Jammersは、Salsoul Recordsの周辺で生まれたプロジェクトとして見ると整理しやすい。Instant Funkのメンバーが参加し、さらにシェップ・ペティボーンがミックスに関わっている点も、この時代のニューヨーク・ダンス・ミュージックのつながりを示している。
後年、このアルバムはシカゴのStill Musicから500枚限定の2枚組LP/CDとして再発された。オリジナル盤が少ない作品として扱われてきたことがうかがえる。
The Jammersは、1980年代初頭のニューヨークで作られたディスコ/ブギー作品として押さえておきたいプロジェクトだ。アルバムは1枚だけだが、参加メンバーや制作陣を見ると、その時代のダンス・ミュージックの現場感がそのまま残っている。