Vinyl Record Reviews
René & Angelaは、ルネ・ムーアとアンジェラ・ウィンブッシュによるロサンゼルスのR&Bデュオだ。1977年に結成され、1980年代前半から半ばにかけて活動した。ジャンルはFunk / Soulで、サウンドの軸にはブギー、ファンク、ソウルがある。
ムーアはRufusのボビー・ワトソンの兄弟で、結成前にはBrothers Johnsonでも演奏していた。ウィンブッシュは、Dolly Parton、Lenny Williams、Jean Carnのバック・ヴォーカルを務めた経歴を持つ。ふたりとも、デュオ結成以前から現場経験を積んでいた。
René & Angelaは1980年にCapitol Recordsからデビュー作『René & Angela』を発表した。その後、『Wall to Wall』(1981年)、『Rise』(1983年)と続けて3枚をCapitolから出している。1980年にR&Bヒットを獲得してから、3年ほどの間にさらに複数のヒットを重ねた。
1985年にはMercuryへ移籍し、4作目『Street Called Desire』をリリースした。このアルバムはR&Bアルバム・チャートで5位を記録し、ゴールド認定も受けている。デュオの代表作として扱われることが多い作品だ。
『Street Called Desire』からは、「Save Your Love (For #1)」がR&Bチャート1位、「Your Smile」もR&Bチャート1位、「You Don't Have to Cry」は2位、「I'll Be Good」もヒットした。1985年以降の短い期間に、チャート上位の曲を集中して出している。
René & Angelaの音楽は、ソウルにポスト・ディスコ期のブギーを組み合わせたものとして語られることが多い。ファンク寄りのリズム、滑らかなコーラス、R&Bらしいメロディを土台にした作りだ。
ふたりは作曲とプロデュースも自分たちで手がけていた。外部のヒットメイカーに全面的に頼る形ではなく、デュオ自身の手で曲作りと音作りを進めていた点が特徴として挙げられる。
デュオは1986年末までに解散した。解散は円満ではなかったとされ、ムーアはウィンブッシュがほかのアーティストの仕事に関わったことを緊張の理由に挙げている。一方のウィンブッシュは、1986年のクリーヴランド公演でのステージ上の出来事など、ムーアの振る舞いを理由に挙げている。最終的には弁護士を介してやり取りする関係になったという。
解散後、ふたりはそれぞれソロ活動に移った。ウィンブッシュはR&Bチャートでトップ10ヒットを5曲出し、プロデューサーとしても活動した。グループ時代の経験は、その後の個人活動にもつながっていった。
René & Angelaは、80年代R&Bの中でも、ソウルとブギーを行き来するデュオとして整理しやすい存在だ。ヒット曲の並びだけでなく、制作面までふたりで担っていた点も含めて、当時のR&Bの作り方を知るうえで見ておきたいグループだ。