The Last Poets

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The Last Poets

The Last Poetsとは

The Last Poets(ザ・ラスト・ポエッツ)は、1960年代後半のアメリカ黒人公民権運動とブラック・ナショナリズム(黒人解放運動)の流れの中から生まれた、スポークン・ワード(詩の朗読)とパーカッションを軸にした詩人・音楽家集団だ。

中心人物のひとり、ジャラルディン・マンスール・ヌリディン(Jalaluddin Mansur Nuriddin、当時の名義はAlafia Pudim、別名Lightnin' Rod、1944年〜2018年)は、ベトナム戦争への派兵と国旗への敬礼を拒否して軍刑務所に服役していた時期にイスラム教へ改宗し、獄中で「スピール(トースティング)」と呼ばれるリズミカルな語りの表現を磨いた。ここからグループの核になる表現が育っていく。

結成の背景と名前の由来

グループの起点は1968年5月19日(マルコムXの誕生日)、ニューヨークのイースト・ハーレムにあるマウント・モリス・パーク(現マーカス・ガーヴェイ・パーク)で行われたマルコムX追悼集会にある。ここでアビオドゥン・オイエウォレ(Abiodun Oyewole)、ガイラン・ケイン(Gylan Kain)、デヴィッド・ネルソン(David Nelson)の3人が詩の朗読を行い、結成へつながった(のちにネルソンに代わってヤング・ローズ創設者のフェリペ・ルシアーノ[Felipe Luciano]が加わる)。

グループ名は、南アフリカの反アパルトヘイト革命詩人ケオラペツェ・コシツィレ(Keorapetse Kgositsile)の詩の一節(「銃がすべてを支配する前の、今が詩の最後の時代だ」)から取られた。

ハーレムの作家ワークショップ「East Wind」を拠点に活動する中、ヌリディンやウマル・ビン・ハッサン(Umar Bin Hassan)、パーカッショニストのニラジャ(Nilaja=Raymond Hurrey)が合流。その後、ケイン、ネルソン、ルシアーノの3人は「The Original Last Poets」名義でドキュメンタリー映画と同名のサウンドトラック盤『Right On!』(1971年公開)を残し、ヌリディン、ハッサン、オイエウォレ、ニラジャの4人が「The Last Poets」としてプロデューサーのアラン・ダグラスが主宰するDouglas Recordsと契約した。

デビュー作と初期の衝撃

1970年6月に出たセルフタイトルのデビュー・アルバム『The Last Poets』は、アフリカン・コンガの鋭いリズムと、怒りを前面に出した政治的・社会的なアジテーション(「Niggers Are Scared of Revolution」「When the Revolution Comes」「On the Subway」など)だけで構成されている。

この作品は40万枚以上を売り上げ、米Billboard 200で最高29位、R&Bアルバム・チャートで最高3位を記録した。同じ1970年には、ミック・ジャガー主演の映画『パフォーマンス(Performance)』のサウンドトラックに「Wake Up, Niggers」を提供している。

COINTELPROの監視と「ジャズオエトリー」

ツアー直前にオイエウォレが政治活動および強盗容疑で逮捕・収監されたため、続く第2作『This Is Madness』(1971年)はヌリディン、ハッサン、ニラジャの3人で録音された。より先鋭的で政治色の強い詩が並んだ同作により、グループはニクソン政権下のFBI対敵諜報計画(COINTELPRO)の監視対象リストに掲載された。

その後ハッサンが一時脱退し、代わってスライマン・エル=ハディ(Sulaiman El-Hadi、1995年没)が加入した第3作『Chastisement』(1972年)では、ジャズとファンクの楽器編成にポエトリーを組み合わせた独自のスタイル「ジャズオエトリー(Jazzoetry)」を打ち出した。さらに1973年の『At Last』(Blue Thumb)では、フリー・ジャズ寄りの方向へ進んでいく。

Lightnin' Rod名義の活動とラップへの接続

ヌリディンは「Lightnin' Rod」名義でも活動し、1973年のソロ作『Hustlers Convention』では、クール&ザ・ギャング、キング・カーティス、バーナード・パーディ、ビリー・プレストンらをバックにゲットーの物語を語った。また、1969年11月にジミ・ヘンドリックスおよびバディ・マイルスと録音したシングル「Doriella Du Fontaine」も知られており、こうした仕事が彼らを「ラップの祖父(Grandfathers of Rap)」と呼ぶ流れを決定づけた。

1980年代以降の再評価とヒップホップへの影響

1980年代にヒップホップが広がると、The Last Poetsはギル・スコット=ヘロンとともにMC/ラップの直接の源流として再評価されていく。ヌリディンとエル=ハディの体制では、ビル・ラズウェル(Bill Laswell)をプロデューサーに迎えた『Oh My People』(1984年、Celluloid)、『Freedom Express』(1988年)、『Scatterap / Home』(1994年)や、1984年の12インチ「Mean Machine」(DSTと共演)を発表した。一方、オイエウォレとハッサンの体制でもビル・ラズウェル制作の『Holy Terror』(1993年/1995年、ブーツィー・コリンズやバーニー・ウォーレル、ファラオ・サンダースが参加)や『Time Has Come』(1997年、チャック・Dらが参加)を発表し、1993年にはジョン・シングルトン監督・2パック出演の映画『ポエティック・ジャスティス(Poetic Justice)』にも出演した。

彼らの音源は、N.W.A.、パブリック・エネミー、ア・トライブ・コールド・クエスト(「Excursions」)、ディガブル・プラネッツ(「Rebirth of Slick」)、ノトーリアス・B.I.G.、マッドリブ(Quasimoto)、JIDなど数多くのヒップホップ・アーティストにサンプリングされたほか、デヴィッド・ボウイもデビュー盤『The Last Poets』を自身の生涯のベスト・アルバム25枚の1枚に挙げた。2005年にはコモン(Common)のアルバム『Be』収録の「The Corner」(カニエ・ウェスト制作)、2008年にはナズ(Nas)のアルバム『Untitled』収録の2曲に客演し、2018年には21年ぶりのアルバム『Understand What Black Is』、2019年には『Transcending Toxic Times』を発表している。

ジャンル・スタイル

Funk / Soul Jazz Free Jazz Soul-Jazz Spoken Word
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