Vinyl Record Reviews
Visitors(ヴィジターズ)は、フランスのカルト的プロデューサー/コンポーザーであるジャン=ピエール・マシエラ(Jean-Pierre Massiera、通称JPM)が主導したスペース・ロック/コズミック・ディスコ・プロジェクトだ。宇宙や地球外生命体を題材にしたSF的コンセプトを一貫して掲げ、時代ごとにメンバーや音楽性を大きく変貌させながら展開された。
第1期のVisitorsは1974年に始動し、デビュー作『Visitors』(1974年)を発表した。アメリカでは権利上の理由から「Force 5」名義でリリースされている。作品には、Didier Lockwood(ディディエ・ロックウッド)、Francis Lockwood(フランシス・ロックウッド)、Bernard Torelli(ベルナール・トレリ)らが参加している。
この時期のVisitorsは、UFOやエイリアンとの遭遇をテーマにした劇的な構成で、プログレッシヴ・ロックを軸にした内容だった。参加メンバーも多く、ギター、ベース、キーボード、ヴァイオリン、オルガン、モーグ・シンセサイザーなどが重厚に組み合わされている。
1981年には第2期のVisitorsが動き出し、再び同名タイトルの『Visitors』を発表した。この時期は、スペース・ロック・バンド「ロケッツ(Rockets)」のプロデュースでも知られるクロード・ルモワーヌが共同プロデュースに入っている。
サウンド面では、シンセサイザーの反復フレーズ、ヴォコーダー、電子ビートを前面に出したコズミック・ディスコ/スペース・ファンクへと大きくシフトした。メンバーには、ベルナール “Willy” リニャック、ローザリ・リッコボノ、パトリス・エリンゲル、ゼウス・B・ヘルド、ドナルド・リューボンらが参加した。後にゼウス・B・ヘルドが抜け、ジャン・リッコボノが加わっている。
1996年から1998年にかけては、ジャン=ピエールとクリストフ・マシエラによる第3期のVisitorsが展開され、トランス系の電子音楽として作品が発表された。プロジェクト名としてのVisitorsを受け継ぎながら、時代に合わせたエレクトロニック・サウンドを探求した。
Visitorsは、ジャン=ピエール・マシエラの最も重要なプロジェクトのひとつとして高く評価されている。特に1981年のセカンド・アルバムは、イタリアのコズミック・シーンを中心にフロア・クラシックとして熱狂的な支持を集めた。70年代のプログレッシヴ・スペース・ロックから80年代のシンセ・ディスコへ移るダイナミックな変遷も、Visitorsならではの大きな魅力として語り継がれている。