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Wood, Brass & Steel(ウッド、ブラス&スティール)は、1970年代半ばに米コネチカット州ハートフォード出身のミュージシャンを中心に結成されたファンク/ソウル/ディスコ・グループである。洗練されたジャズ・ファンクとダンスフロア直結のディスコ・ビートを兼ね備えた名曲を残しただけでなく、在籍したメンバーたちが後に初期ヒップホップやダブ、オルタナティヴ・ロックの歴史を大きく塗り替えることになった重要グループである。
グループの原型は、名門ジャズ・サックス奏者ジャッキー・マクリーンが設立したコネチカット州の音楽教育機関「アーティスト・コレクティヴ(Artist Collective Inc.)」に端を発する。伝説のブレイクビーツ盤『Skull Snaps』(1973年)で演奏していたギタリストのスキップ・マクドナルド(Skip McDonald、本名Bernard Alexander)やドラマーのハロルド・サージェント(Harold Sargent)が、そこで若き天才ベーシストのダグ・ウィンビッシュ(Doug Wimbish)やバートン・キャンベルらと邂逅した。
やがてジョー&シルヴィア・ロビンソン夫妻率いるAll Platinum/Turbo Recordsと契約を結んだ際、「Wood, Brass & Steel」と命名された。
1976年にTurboから発表されたセルフタイトルのデビュー・アルバム『Wood, Brass & Steel』は、レア・グルーヴ/ファンク史に燦然と輝く名盤として名高い。ロニー・ロウズ(Ronnie Laws)のペンによる名曲を極上のソウル・ディスコへと仕立て上げた「Always There」は全英チャートでもヒットを記録。さらに、タイトなリズム隊とホーンが織りなすインストゥルメンタル「Funkanova」は、マンキューソのThe Loftやラリー・レヴァンのParadise Garageをはじめとするクラブ・シーンで永遠のアンセムとして愛され続けている。
1979年9月、シルヴィア・ロビンソンはダグ・ウィンビッシュ、スキップ・マクドナルド、そして新ドラマーのキース・ルブラン(Keith LeBlanc)の3人を、新たに立ち上げたヒップホップ・レーベル「Sugar Hill Records」の専属ハウスバンド(Sugarhill Gang Band)に抜擢した。彼らはザ・シュガーヒル・ギャングの「Rapper's Delight」周辺作品や、グランドマスター・フラッシュ&ザ・フューリアス・ファイヴの歴史的傑作「The Message」「White Lines」で生演奏を担当し、初期ヒップホップのグルーヴの土台を築き上げた。
グループとして1980年にセカンド・アルバム『Hard Work』を発表した後、ウィンビッシュ、マクドナルド、ルブランの3人は英国のダブ・プロデューサー、エイドリアン・シャーウッド(On-U Sound)と合流。タックヘッド(Tackhead)やファッツ・コメットを結成して先鋭的なインダストリアル・ダブを展開し、ウィンビッシュはのちにリヴィング・カラー(Living Colour)に加入するなど、彼らの切り拓いたビートの軌跡は現代音楽の諸ジャンルへと深く根を張っている。