Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich - If Music Be The Food Of Love ... Prepare For Indigestion (1966)
Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich 1966

Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich - If Music Be The Food Of Love ... Prepare For Indigestion (1966)

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Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich『If Music Be The Food Of Love ... Prepare For Indigestion』について

Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichは、1960年代の英国ポップを代表するグループのひとつだ。Dave DeeことDave Harmanを中心に、Trevor “Dozy” Davies、John “Beaky” Dymond、Mick “Mick” Wilson、Ian “Tich” Ameyという5人で活動し、明快なメロディと、少し芝居がかった見せ方を持ち味にしていた。本作『If Music Be The Food Of Love ... Prepare For Indigestion』は、その2作目のスタジオ・アルバムで、1966年の作品としてリリースされた。グループの勢いが最もはっきり形になっていた時期の一枚で、シングルの成功を背景にアルバムへ人気をつなげようとした流れが見える。

1966年の英国ポップの空気をそのまま映した作品

収録内容は、当時の英国ポップらしい歯切れのよさと、ビート・グループ的な推進力が前に出たものだ。制作面ではKen Howard / Alan Blaikleyのソングライティング・チームが多くの曲を手がけ、バンド名義の楽曲も混じる。こうした体制は、60年代中盤の英国では珍しくないが、Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichの場合は、作家陣の整った曲をバンドのキャラクターで押し切る形がはっきりしている。

録音は1966年10月から11月にかけて行われた。オリジナル盤はUKのFontanaから出ており、黒地に銀文字のレーベルが使われている。盤面やジャケットの表記に複数のカタログ番号がある点も、当時の英国盤らしい細部だ。なお、後年の再発では曲順や収録形態が変わることがあるが、1966年盤はこの時期のバンドの輪郭をそのまま残した初出形態として重要だ。

ヒット曲を抱えたアルバム

この時期の彼らは、シングルでのヒットが強い。アルバムでも代表曲として知られる「Bend It」や「Hideaway」が存在感を持つ。特に「Bend It」は、ユーモアのある題材を軽快なリズムに乗せた曲で、バンドの個性を端的に示す1曲だ。演奏はタイトで、歌は前に出る。ギターのリフやコーラスの運びも分かりやすく、ラジオ向けの感覚がよく出ている。

全体を聴くと、単発のヒットを並べただけの印象ではなく、曲ごとの役割がはっきりしている。派手な長尺演奏や複雑な構成に寄らず、3分前後の楽曲で展開を作るタイプのアルバムだ。実際に耳を通すと、音数の多さよりも、歌とリズムの切れ味が先に来る。ベースとドラムが前に出て、そこへギターとコーラスが積み上がる。60年代英国のビート・ポップをそのまま体現した作りだ。

チャート実績と当時の評価

本作は1966年末に発売され、UKアルバム・チャートでは最高27位を記録した。初登場は1967年1月7日で、チャート在位は5週間だった。大ヒット盤というより、シングルで勢いを持つバンドのアルバムとして堅実に受け止められた作品だ。NMEの当時のレビューでも、彼らのショウマンシップがそのまま作品に反映されている点が注目されていた。ステージでの振る舞いをそのまま音に移したような、見せることを意識したグループ像がここにはある。

後年の回顧でも、このアルバムはデビュー盤に続く、勢いのあるブリティッシュ・ポップの一枚として扱われている。AllMusicでは、彼らの強みを堅実な楽曲、ユーモラスな作風、そして代表曲群に見いだしている。過剰に重くならず、耳に残るフックを優先する作りは、同時代のThe Moveや、より軽快な英ポップ・グループと並べて語られることもある。

作品の位置づけ

Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichにとって本作は、人気がはっきり形になっていた時期の記録だ。デビュー以降の勢いを保ちながら、アルバムという形でグループの輪郭をまとめた作品で、ヒット曲の存在だけでなく、当時の英国ポップの作法そのものがよく出ている。派手な実験よりも、確実に届くメロディと演奏、そして少し芝居がかった前向きさ。その組み合わせが、このアルバムの核になっている。

1966年という年の英国ポップを振り返ると、ビート・バンドの勢いがまだ強く、同時にポップ・ソングとしての完成度がより重視され始めた時期でもある。本作はその中間に位置するような内容で、グループの個性と作家陣の手際がきれいに噛み合っている。Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tichのアルバムの中でも、当時の空気をそのまま閉じ込めた一枚として印象に残る。

トラックリスト

  1. A1 Bang
  2. A2 I'm On The Up
  3. A3 Hideaway
  4. A4 Shame
  5. A5 Hands Off
  6. A6 Loos Of England
  7. B1 Help Me
  8. B2 Master Llewellyn
  9. B3 You Make It Move
  10. B4 All I Want
  11. B5 Hair On My Chinny Chin Chin (Huff 'n Puff)
  12. B6 Bend It

動画プレイリスト

公開: 2026年8月
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