Eela Craig - Hats Of Glass (1978)
Eela Craig 1978

Eela Craig - Hats Of Glass (1978)

Electronic Rock Prog Rock Art Rock Synth-pop

Eela Craig『Hats Of Glass』について

『Hats Of Glass』は、オーストリアのバンド、Eela Craigが1978年に発表した作品で、同年にVertigoから出たアルバムだ。Eela Craigは、プログレッシブ・ロックを軸に、ジャズやクラシックの要素、さらに宗教的なテーマやコーラスを取り込んだバンドとして知られている。70年代後半のヨーロッパ・プログレの流れの中で、かなり独自の位置を占めるグループと言える。

バンドの背景

Eela Craigは1970年にリンツで結成された。1971年のデビュー作『Eela Craig』では、Emerson, Lake & Palmer、King Crimson、Gentle Giant、Colosseumといった同時代の名前と比較されることが多かった。さらに1972年にはチューリッヒ室内管弦楽団とのステージも行っており、ロックバンドとしては珍しい劇場やオペラハウスでの演奏経験を重ねている。

1975年にはVertigoと契約し、その後はシングルやアルバムを継続的にリリースした。1978年はその中でも重要な年で、宗教的コンセプトを持つ『Missa Universalis』とともに、『Hats Of Glass』も同年に登場している。

『Hats Of Glass』の位置づけ

この作品は、Eela CraigがVertigo期に残した作品のひとつとして捉えやすい。バンドのプロフィールを見ると、1978年はスタイルの幅が広がっていた時期で、アート・ロック、シンセポップ、プログ・ロックの要素が並ぶ。70年代後半のプログレ勢が、より電子的な音色や時代のポップ感覚を取り込み始めていた流れの中に置ける作品だ。

同じ1978年にはChris de Burghの“A Spaceman Came Travelling”のカバーもリリースされており、Eela Craigが旋律性の強い楽曲やコーラスワークにも力を入れていたことがうかがえる。

サウンドの印象

実際に耳にすると、ロックの骨格の上に鍵盤やシンセの層が重なり、曲ごとに展開が細かく変わっていく作りが目立つ。ギター主体で押し切るタイプというより、アンサンブル全体で構成を組み立てていくタイプの音作りだ。ジャズ由来の動きやクラシック寄りの和声感も、演奏の端々に見えてくる。

この時期のヨーロッパ・プログレと比べると、英国の大作志向とは少し違い、オーストリアらしい合唱的な響きや宗教音楽の影も感じやすい。Eela Craigの持ち味は、そのあたりの組み合わせにある。

同時代の文脈

1978年という時期は、プログレが大きく変化していた頃だ。長尺組曲中心の70年代前半の流れから、シンセサイザーやより整理された曲構成へと移る作品が増えていた。Eela Craigもその流れの中で、従来のプログレ的な構築性を保ちながら、より時代に近い音色を取り入れていたバンドとして見てよさそうだ。

比較対象としては、同じく鍵盤や構成力を重視するEmerson, Lake & Palmer、複雑な展開を持つGentle Giant、重厚な組曲性を持つKing Crimson、管弦楽的なアプローチを含むColosseumなどが挙がる。ただしEela Craigは、そのどれかにそのまま当てはまるわけではなく、宗教的なモチーフやコーラスを含んだ独自の方向性を持っている。

レーベルと盤の情報

本作はVertigoからのリリースで、カタログ番号はBT 8115。Vertigoは70年代のプログレ作品でよく知られるレーベルで、本作もその文脈にある1枚だ。オリジナルは1978年盤で、今回の情報でも同年の作品として扱える。

まとめ

『Hats Of Glass』は、Eela Craigの70年代後半を代表する作品のひとつとして見られるアルバムだ。プログ・ロックを土台にしながら、電子音、クラシック的要素、合唱的な響きを組み合わせたバンドの個性が、1978年という時代の空気とともにまとまっている。Eela Craigのディスコグラフィーを追うなら、バンドの方向性がよく見える重要な一作だ。

トラックリスト

  1. A1 A Spaceman Came Travelling 4:49
  2. A2 Hats Of Glass 10:25
  3. A3 Chances Are 5:26
  4. B1 Heaven Sales 2:53
  5. B2 Holstenwall Fair 8:10
  6. B3 Caught On The Air 3:52
  7. B4 (Remove Another Hat Of Glass And You Could Easily Find Assorted Kinds Of) Cheese 3:30

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