Foreigner - 4 (1981)
Foreigner 1981

Foreigner - 4 (1981)

Rock Pop Rock

Foreigner『4』

Foreignerの『4』は、1981年7月にAtlanticから発表された4作目のスタジオ・アルバム。タイトルどおり通算4作目であると同時に、バンドが4人編成にスリム化された新体制を象徴する作品でもある。前作『Head Games』(1979年)後、ミック・ジョーンズ(ギター)は音楽的イニシアチブを一本化するため創設メンバーのイアン・マクドナルド(元キング・クリムゾン)とアル・グリーンウッド(キーボード)の解雇を決断。ミック・ジョーンズ、ルー・グラム(ボーカル)、リック・ウィルス(ベース)、デニス・エリオット(ドラム)の4人体制で制作が進められた。

制作背景と録音のエピソード

録音はニューヨークの名門Electric Lady Studiosで行われ、共同プロデューサーにはAC/DCの『Highway to Hell』や『Back in Black』を手がけた名匠ロバート・ジョン・“マット”・ラングが招聘された。セッションではボーカルの多重録音やギター・リフ、リズムの精度を徹底的に突き詰める作業が重ねられ、巨額の制作費が投じられた。

固定キーボード奏者を外したことで、本作では豪華な外部ゲストの起用が大きな成果を上げている。代表曲「Urgent」では、ニューヨークのクラブに出演中だったモータウンの伝説的サックス奏者ジュニア・ウォーカーがスタジオに招かれ、ロック史に残る熱狂的で荒々しいテナー・サックス・ソロを録音した。さらに、当時まだソロ・デビュー前で無名だった英国の青年トーマス・ドルビーがシンセサイザーのプログラミングと演奏を担当し、先鋭的なエレクトロニック・テクスチャーを提供。「Waiting for a Girl Like You」でもドルビーによる幻想的で洗練されたシンセ・サウンドが屈指のバラードのカラーを決定づけている。また「Juke Box Hero」は、シンシナティの会場でリハーサル後から開演までの数時間、土砂降りの雨の中でたった一人ずぶ濡れになりながらバックステージ口で待ち続けていた熱心な少年ファンにミック・ジョーンズが心を打たれ、彼を招き入れた体験から生まれたロック少年の立志伝だ。

ジャケット・アートにも知られざる経緯がある。当初は『Silent Partners』という仮題で、ヒプノシスによるシュールなデザイン(ベッドに横たわる男性の頭上に双眼鏡が浮遊する写真)が用意されていたが、バンド側がこれを却下。アルバム名が『4』に変更されたのを受け、Atlanticのアート・ディレクターであるボブ・デフリンが、往年の映画フィルムの冒頭に流れるカウントダウン・リーダー(4コマ目)を模した極めてシンプルかつ象徴的なグラフィックに仕上げた(ヒプノシスは最終的にレーベル面のレイアウトのみにクレジットされている)。

時代の文脈とアルバムの位置づけ

1981年当時、パンクやニュー・ウェイヴの台頭、ディスコの余波の中で、1970年代型のアメリカン・ハード・ロックは変革を迫られていた。Foreignerはキーボード奏者を固定メンバーから外し、最先端のシンセサイザーを導入することで、ハード・ロックの重量感と80年代的エレクトロ・ポップのモダンな意匠を完璧に融合させた。ジャーニー、REOスピードワゴン、TOTOらとともに、80年代初頭のアリーナ・ロック/メロディック・ロック(AOR)の黄金時代を切り拓いた金字塔である。

評価と後世への影響

『4』は米Billboard 200で通算10週間にわたり1位を独占するメガヒットを記録し、RIAAより6×プラチナ(600万枚突破)に認定された。シングルでも「Urgent」が全米4位、「Waiting for a Girl Like You」はオリビア・ニュートン・ジョンの「Physical」(9週)とホール&オーツの「I Can't Go for That」(1週)に阻まれながらも、当時のビルボード史上最長記録となる10週連続全米2位を記録。「Juke Box Hero」も全米26位(メインストリーム・ロック・チャート3位)のヒットとなった。

マット・ラングが本作で確立した緻密なプロダクション手法は、彼が直後に手掛けるデフ・レパードの『Pyromania(炎のターゲット)』や『Hysteria』におけるスタジアム・ロック・サウンドの直接的な雛形となった。また「Juke Box Hero」はアメリカン・ドリームを体現するアンセムとして後世の多くのバンドに歌い継がれ、ブロードウェイ・ミュージカル『Rock of Ages』でも象徴的なナンバーとして使用されている。

トラックリスト

  1. A1 Night Life 3:48
  2. A2 Juke Box Hero 4:18
  3. A3 Break It Up 4:11
  4. A4 Waiting For A Girl Like You 4:49
  5. A5 Luanne 3:25
  6. B1 Urgent 4:29
  7. B2 I'm Gonna Win 4:51
  8. B3 Woman In Black 4:42
  9. B4 Girl On The Moon 3:49
  10. B5 Don't Let Go 3:48

動画プレイリスト

公開: 2026年11月
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