Jeff Tyzik - The Farthest Corner Of My Mind (1986)
Jeff Tyzik『The Farthest Corner Of My Mind』について
Jeff Tyzikの『The Farthest Corner Of My Mind』は、1986年にUSのAmherst Recordsから出たジャズ作品。トランペット奏者、そして指揮者として知られるTyzikの名義作として、彼の経歴を追ううえでもひとつの手がかりになるタイトルだ。
Jeff Tyzikは、1979年に表記をJeff TkazyikからJeff Tyzikへ改めた人物。ニューヨーク州ハイドパーク生まれで、Eastman School of Musicで学び、Chuck MangioneのバンドやDoc Severinsen周辺の仕事で経験を積んだ経歴がある。クラシックの訓練を土台にしながら、ジャズ、ポップス、ロックの要素をオーケストラに持ち込む方向へ進んだ人でもある。
作品の位置づけ
1986年という時期は、Jeff Tyzikがソロ奏者としてだけでなく、アレンジャーやプロデューサー的な視点も強めていた時期と重なる。彼のプロフィールにある通り、同じ1986年にはDoc Severinsenのグラミー受賞作『The Tonight Show Band with Doc Severinsen, Vol. 1』の制作にも関わっている。そうした仕事と並走するかたちで発表された作品として見ると、Tyzikの活動の幅がよく見える。
Amherst RecordsはUSの独立レーベルで、Spyro Gyra、Doc Severinsen、Glenn Medeirosなど、ジャンル横断的な作品を多く出してきたレーベル。そうしたカタログの中に置くと、本作もジャズを軸にしながら、当時のクロスオーバー志向と相性のよい位置にあるタイトルとして捉えやすい。
同時代の文脈
1980年代半ばのアメリカのジャズは、コンボの伝統的な演奏だけでなく、フュージョンやポップス寄りの編成、放送向けの聴きやすいサウンドが広く流通していた時代。Jeff Tyzikはまさにその流れの中で、演奏家としてだけでなく、オーケストラや大編成を扱う側の感覚も持ちながら活動していた。Chuck MangioneやDoc Severinsenの周辺と重なることからも、当時の“ジャズとポップスの間”にある実演の現場に近い人物といえる。
作品を聴くときの見どころ
この作品について、曲ごとの詳細なクレジットや代表曲の情報は手元の資料では確認できないが、Tyzikの経歴を踏まえると、トランペットの音色、アンサンブルの組み方、アレンジの運び方に耳が向くタイトルだ。ソロの技巧だけを前に出すタイプというより、全体の流れや編成のまとまりを意識した作りが想像しやすい。
タイトルの『The Farthest Corner Of My Mind』は、内省的な印象を持つ言葉だが、内容の解釈を広げすぎずに受け取るなら、Tyzikの音楽的視野の広さを示す名前として自然に読める。
レーベル情報
- レーベル: Amherst Records
- カタログ番号: AMH 3304
- リリース国: US
- 盤のリリース年: 1986年
まとめ
『The Farthest Corner Of My Mind』は、Jeff Tyzikという人物を、トランペット奏者としてだけでなく、編曲や制作の感覚を備えた音楽家として見るための1986年作品。Chuck MangioneやDoc Severinsenの系譜に接続しつつ、当時のUSジャズ/クロスオーバーの空気の中に置ける一枚だ。
作品単体の詳細情報は限られるものの、Tyzikのキャリア全体をたどると、この時期の活動が後のオーケストラ・ワークやプロデュース仕事へつながっていく流れは見えやすい。そういう意味で、アーティストの輪郭を確認するための記録的な価値も持つタイトルといえる。
トラックリスト
- A1 Prophecy 5:43
- A2 Florentine 4:44
- A3 Birth Day 5:11
- A4 Inner Space 4:58
- A5 Far Away 4:05
- B1 Notte Roma (Night In Rome) 3:59
- B2 The Farthest Corner Of My Mind 6:27
- B3 Sweet Nothings 5:08
- B4 Circe (The Enchantress) 7:14