Newcleus - Jam On Revenge (1984)
Newcleus『Jam On Revenge』について
Newcleusの『Jam On Revenge』は、1984年にUSのSunnyviewから出た作品で、Brooklyn, New York出身のエレクトロ/ヒップホップ・グループによる初期代表作のひとつとして知られる盤だ。メンバーはBen Cenac、Bob Crafton、Tracy Greene、Monique Crafton、Yvette Cenac。グループの前身は1970年代半ばのDJコレクティヴ「Jam-On Productions」で、そこから録音ユニットとして発展した流れがある。
作品の位置づけ
Newcleusは、80年代前半のブロンクス/ブルックリン周辺で広がったエレクトロとヒップホップの接点を、かなり早い段階から形にしていたグループだ。Sunnyviewは1980年代のエレクトロ、フリースタイル、ラップ、ディスコを多く抱えたレーベルで、この作品もそうした80年代前半のニューヨーク系ダンス・ミュージックの流れの中に置ける。
グループの文脈で見ると、『Jam On Revenge』はNewcleusの名前を広く知らしめた時期の作品として重要だ。とくに代表曲として語られることの多い「Jam On It」は、この時代のエレクトロ/ラップを象徴する1曲として扱われている。
サウンドの印象
実際に聴くと、打ち込みのリズムが前に出る作りで、低音の反復と機械的なドラムの刻みがはっきりしている。そこにラップや掛け声のようなフレーズが乗る構成で、当時のクラブ向けエレクトロらしい直線的な推進力がある。シンセの音色も前景に置かれ、曲ごとの展開よりも、リズムと反復で引っ張る場面が目立つ印象だ。
Newcleusの作品は、同時代のAfrika Bambaataa周辺や、Kraftwerkの影響を受けたエレクトロ勢と比較されることが多い。『Jam On Revenge』もその流れの中で、ニュー・ヨークのストリート感覚とダンス志向を結びつけた一枚として捉えやすい。
代表曲とエピソード
この作品でまず触れられるのは「Jam On It」だろう。Newcleusの代名詞として知られ、後年まで80年代エレクトロを語る場面で挙がりやすい曲だ。ほかにも、グループのコレクティヴ的な出自を反映するような、コール&レスポンス寄りの運びや、ダンスフロアを意識した作りが見える。
Newcleusの成り立ち自体も、この作品を理解するうえで重要だ。もともとJam-On ProductionsというDJ集団から発展し、Positive Messengerを経てNewcleusへと改名した流れがある。グループ名の変遷とともに、DJ文化、ラップ、エレクトロの要素がまとまっていった経緯がうかがえる。
レーベルと時代背景
Sunnyviewは、Henry Stoneが関わったT.K. Recordsの系譜から生まれたレーベルで、80年代のエレクトロやディスコ、ラップを数多く扱ったことで知られる。表向きはニューヨークのレーベルだが、実際にはフロリダ、とくにマイアミ周辺のダンス・ミュージックの流れとも深く結びついていた。そんなレーベルから出た『Jam On Revenge』は、80年代前半のアメリカのダンス・ミュージックが、地域をまたいで流通していたことも感じさせる。
1984年という年は、ヒップホップが録音作品として広がり、エレクトロがクラブとラジオの両方で存在感を持っていた時期でもある。『Jam On Revenge』は、その交差点にある作品として見やすい一枚だ。
まとめ
『Jam On Revenge』は、Newcleusの初期代表作として、80年代エレクトロとヒップホップの接点をそのまま示す作品だ。特に「Jam On It」で知られ、ブロンクス/ブルックリンのラップ文化と、当時の機械的なダンス・サウンドが結びついた時代の記録としても興味深い。Sunnyviewというレーベルの性格も含めて、1984年のニューヨーク周辺の空気を知る手がかりになる盤だ。
トラックリスト
- A1 Computer Age (Push The Button) 7:35
- A2 Auto-Man 5:49
- A3 I'm Not A Robot 4:51
- A4 Destination Earth (1999) 5:08
- B1 Jam On Revenge (Re-Mix) 6:35
- B2 Jam On It 6:26
- B3 Where's The Beat 5:30
- B4 No More Runnin' 4:58
関連動画
- Newcleus - Jam On Revenge (Album)
- 01. Newcleus - Computer Age (Push The Button)
- 02. Newcleus - Auto-Man
- 03. Newcleus - I'm Not A Robot
- 04. Newcleus - Destination Earth (1999)
- 05. Newcleus - Jam On Revenge (Re-Mix)
- 06. Newcleus - Jam On It
- 07. Newcleus - Where's The Beat
- 08. Newcleus - No More Runnin'
- Computer Age (Push the Button)
- Automan
- I'm Not A Robot
- Destination Earth (1999)
- Jam On Revenge (The Wikki Wikki Song)
- Jam On It