The Isley Brothers - Shout! (1959)
The Isley Brothers 1959

The Isley Brothers - Shout! (1959)

Rock Pop Funk / Soul Rock & Roll Soul Rhythm & Blues

The Isley Brothers「Shout!」について

The Isley Brothersの「Shout!」は、1959年に世に出た初期代表作であり、彼らの名前を広く知らしめた重要な1枚である。Cincinnati, Ohio出身の兄弟グループが、ゴスペル由来の呼びかけと応答、R&Bの推進力、ロックンロールの勢いをまとめ上げた録音で、のちのソウルやパーティー系ロックにもつながる基礎を早い段階で示している。今回の盤は1988年のUS再発盤で、Collectablesからのリリース。オリジナルの1959年盤を後年に聴き直せる形で出したものになる。

1959年のオリジナル録音の意味

「Shout!」は、The Isley Brothersにとって初期の大きな転機になった曲で、Billboard Hot 100でも47位まで上昇した。大ヒットの数字だけを見れば突出しているわけではないが、この曲が持った長い寿命は別格で、のちにミリオンセラーとして扱われ、GRAMMY Hall of Fameにも選ばれている。グループの出発点を示す1曲でありながら、同時に50年代末のリズム・アンド・ブルースがどこまでロックンロールに踏み込めるかを示した記録でもある。

録音は1959年7月29日、ニューヨークのRCA Victor Studio Aで行われた。レーベル表記やスリーブにはHugo & Luigi Production、RCA Recordsのクレジットが見える。曲はパート1/2に分かれた構成で、短い尺の中に高揚感を詰め込んでいる。冒頭から終盤まで、教会音楽を思わせるコール&レスポンス、タンバリン、オルガン、叫び声が前に出て、演奏全体がどんどん加速していく作りになっている。

聴きどころ

この曲の核は、整った歌唱よりも、場の熱を直接引き上げるような勢いにある。音の隙間を埋めるというより、声とリズムで空気を押し上げる感覚が強い。ソウルやファンクの洗練されたグルーヴとは少し違い、もっと荒っぽく、ライブの熱気をそのまま閉じ込めたような録音である。実際に聴くと、ヴォーカルの押し出し、手拍子の感覚、オルガンの支えが一体になっていて、スタジオ録音でありながら集団で盛り上がる場面のように響く。

後年のThe Isley Brothersが持つ、メロウなソウルやファンクの印象とはかなり異なるが、この初期曲にはすでに彼らの強さがある。歌を単独のメロディとして聴かせるのではなく、フレーズを積み重ねて熱を作る構造は、のちの「Twist and Shout」系のカバー文化や、パーティー・ロックの文脈にもつながっていく。

The Isley Brothersの中での位置づけ

The Isley Brothersは1950年代に活動を始め、1960年代にはT-Neck設立、Motown期を経て、1970年代以降はErnie Isley、Marvin Isley、Chris Jasperを加えた編成で再びヒットを重ねた。その長いキャリアの中で、「Shout!」は最初期の看板曲として位置づけられる。後年の「This Old Heart Of Mine」「It’s Your Thing」「Between the Sheets」「For the Love Of You」といった代表曲を知っていると、この曲の原点性がよりはっきり見えてくる。兄弟グループとしての結束、教会音楽の背景、観客を巻き込む構え、そのすべてがここに詰まっている。

また、Vernon Isleyを含む初期の兄弟編成の記憶も、この時代の作品には重なる。グループの歴史をたどるうえで、「Shout!」は単なる初期ヒットではなく、以後の活動の土台になった録音として重要である。

1988年Collectables盤について

この1988年US盤はCollectablesからの再発で、表ジャケットには「A Hugo & Luigi Production」「RCA Records a label of BMG」「A product of Collectable Records Corp.」といった表記が見える。盤面には「Manufactured by RCA Special Products. A label of BMG.」「℗ 1988 BMG Music.」のクレジットがあり、1959年のオリジナル録音を80年代の流通形態で扱い直したものになる。裏ジャケットには© 1959 Radio Corporation Of Americaの表記もあり、録音自体の出自は明確だが、盤としての発売は1988年である点がこのリリースの特徴になる。

Collectablesは再発専門レーベルとして知られていて、当時入手しにくくなっていた旧譜をまとめて出していた。この盤も、その流れの中でThe Isley Brothersの初期重要作を現在のフォーマットで手に取れるようにしたものだ。オリジナル盤の時代感をそのまま残しつつ、後年のリスナーがアクセスしやすい形に置き換えた再発盤、という見方がしっくりくる。

同時代の文脈

1959年前後のR&Bやロックンロールには、歌を前面に押し出すだけでなく、会場全体を巻き込むような仕掛けを持った曲がいくつもあった。その中で「Shout!」は、ゴスペル由来の熱量をかなり直接的な形でロック寄りの録音へ持ち込んだ点で目立つ。後年のソウル・グループ、パーティー・ソング、さらには観客参加型のロック演出にも通じる感触があり、The Isley Brothersの後続世代だけでなく、同時代以降の幅広いグループに影響を残した録音として扱われている。

「Shout!」は、The Isley Brothersの最初期の勢いと、その後の長いキャリアをつなぐ起点である。再発盤であっても、その役割は変わらない。1959年のスタジオで鳴っていた熱気が、1988年の再発盤を通してそのまま伝わってくる。

トラックリスト

  1. A1 When The Saints Go Marching In 2:29
  2. A2 St. Louis Blues 2:55
  3. A3 Yes Indeed 2:01
  4. A4 How Deep Is The Ocean 1:50
  5. A5 Ring-A-Ling-A-Ling 2:55
  6. A6 Rock Around The Clock 2:10
  7. B1 He's Got The Whole World In His Hands 2:02
  8. B2 That Lucky Old Sun 2:30
  9. B3 Respectable 2:10
  10. B4 Without A Song 2:00
  11. B5 Shout Part 1 2:15
  12. B6 Shout Part 2 2:10

動画プレイリスト

Share
戻る

あわせて聴きたい "Soul"

toast