Tyler, The Creator - Cherry Bomb (2015)
Tyler, The Creator 2015

Tyler, The Creator - Cherry Bomb (2015)

Hip Hop Funk / Soul Hardcore Hip-Hop Neo Soul

Tyler, The Creator『Cherry Bomb』2020年US盤

Tyler, The Creatorの『Cherry Bomb』は、2015年4月13日にOdd Future Recordsから出た4作目のアルバムで、ここで扱うのは2020年8月29日のRecord Store Day向けUS盤。赤のクリア・ヴァイナル2枚組で、限定7,250枚。デラックス仕様のゲートフォールド・ジャケットと8ページのブックレットが付属し、ブックレット表記では「Yellow」が収録曲に入っている一方、ディスクのラベルには記載がない。

制作背景・エピソード

この作品は、タイラー自身が全曲をプロデュースし、2曲のみIncubusのギタリスト、Mike Einzigerが追加プロデュースで参加している。録音は自宅スタジオのほか、カリフォルニアなど計7か所のスタジオにわたる。ゲストにはPharrell Williams、Charlie Wilson、Schoolboy Q、Kali Uchis、The InternetのSyd、Toro y MoiのChaz Bundick、さらにRoy AyersやLeon Wareも名を連ねる。Roy Ayersは「Find Your Wings」でヴィブラフォンを弾き、Leon Wareは「Okaga, CA」に参加している。Odd Futureのメンバーとして参加しているのはSydのみ。

「2Seater」のストリングスはタイラー自身が書き、Hans Zimmerのスタジオで録音した。タイラーが生のオーケストラの録音を自ら監修したのは、これが初めてだった。「Run」はリビングルームで録音された。「Deathcamp」では、使う予定だったサンプルの許可が納品直前に下りず、一部を録り直したという。「Smuckers」では、Kanye WestがタイラーとLil Wayneのヴァースを聴いたあと、自分のヴァースを書き直したとされる。

時代の文脈

『Cherry Bomb』は、『Bastard』『Goblin』で目立っていた挑発的な路線と、『Flower Boy』『IGOR』で前面に出る内省的でロマンティックな作風のあいだに置かれる作品である。Complexは、挑発癖と音楽的な野心のあいだで揺れる「岐路」の作品と位置づけた。N.E.R.D.の『In Search of...』やPharrellのプロデュース作品との近さも、多くの批評で指摘された。

本人は後年のドキュメンタリーで、5歳の子どもにも80歳の人にも楽しめる音楽を目指したと話し、個人的な題材をあえて避けて「ただ曲を作る」ことに集中したとも述べている。また、意図的にヴォーカルよりインストを大きくミックスしたとも語っており、タイトル曲などで声が音の壁に埋もれる点が賛否の分かれ目になった。AllMusicはタイトル曲を「Atari Teenage Riot風のコンプレッションをかけたドリルンベース」と評した。一方で「Find Your Wings」はスムースでジャジーな曲とされ、Pitchforkは「Fucking Young / Perfect」を温かなポップと評している。

チャート面ではBillboard 200で初登場4位、Top R&B/Hip-Hop Albumsで1位。Metacriticのスコアは69で、当時の評価は割れた。NMEは「これまでで最も引き締まったアルバム」とし、Exclaim!はミックスの割れた攻撃性を批判している。タイラー自身も2018年に「みんな嫌っていた」と振り返っていた。

後世への影響

後年になると、この作品はカルト的な支持を集めるようになる。Complexは、「Find Your Wings」の繊細な響きが『Flower Boy』や「See You Again」につながり、「2Seater」や「Okaga, CA」の展開していく曲構成が『IGOR』や『Chromakopia』を先取りしていると指摘した。タイラー自身も2018年の『Fantastic Man』のインタビューで、本作を自作の中で一番好きなアルバムに挙げている。2023年のRap Radarでは「ずっと好きだった、嫌いだと言ったことは無い」とも述べた。

2018年にはインストゥルメンタル盤を加えた2枚組の拡大版が出ており、2025年の発売10周年にはヴァイナル3種とボックスセットで再発され、Billboard 200に6位で再登場した。オリジナル発売時の4位以来、10年ぶりのトップ10入りだった。

トラックリスト

  1. A1 Deathcamp
  2. A2 Buffalo
  3. A3 Pilot
  4. A4 Run
  5. A5 Find Your Wings
  6. B1 Cherry Bomb
  7. B2 Blow My Load
  8. B3 2Seater / Hair Blows
  9. C1 The Brown Stains Of Darkeese Latifah Part 6-12 (Remix) / Special
  10. C2 Fucking Young / Perfect
  11. C3 Smuckers
  12. D1 Keep Da O’s
  13. D2 Okaga, CA
  14. D3 Yellow

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

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Tyler, The Creatorは、アメリカ・カリフォルニア州ホーソーン出身のラッパー、音楽プロデューサー、俳優、ミュージックビデオ監督だ。Tyler Okonmaの...

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