Unicorn - Too Many Crooks (1976)
Unicorn 1976

Unicorn - Too Many Crooks (1976)

Rock Folk Rock Country Rock

Unicorn『Too Many Crooks』について

Unicornの『Too Many Crooks』は、1976年にUKのHarvestから出た作品で、バンドの初期を代表する一枚として位置づけられる。アーティスト表記はUnicornだが、プロフィール上はサリー州のSendを拠点としたバンドで、以前はThe Lateとして活動していた流れを持つ。Harvestというレーベルからのリリースという点でも、当時の英国ロックの文脈にしっかり乗っている作品だ。

音楽的にはRockの中でもFolk Rock、Country Rockの要素が前に出る。派手な装飾で押すタイプではなく、曲の骨格、メロディ、演奏のまとまりで聴かせるタイプのアルバムとして受け取れる。UnicornはのちにDavid Gilmourが関わることで知られるが、この1976年盤は、そうした後年の注目以前に、バンドそのものの作曲と演奏の輪郭を確認できる時期の記録になっている。

1976年の英国ロックの中で

1970年代半ばの英国では、フォークの語法を残したロックや、カントリー・ロック寄りのバンドが多く活動していた。Unicornもその流れの中に置いて聴くと理解しやすい。アメリカ南部のロックとは違って、英国らしい抑制のある運びや、歌の線の細さを残したまま進む感じがある。派手なサウンドより、曲の流れそのものに重心がある印象だ。

HarvestはPink Floydで知られるEMI系のレーベルで、1970年代にはプログレッシブ寄りのロックだけでなく、こうしたルーツ色のある作品も抱えていた。『Too Many Crooks』もそのカタログの中に自然に収まる盤で、当時の英国ロックの幅の広さを示す一枚と言える。

タイトル曲「Too Many Crooks」

アルバムの中心にあるのがタイトル曲「Too Many Crooks」だ。作品名をそのまま背負う曲だけに、バンドの方向性を最も端的に示す位置にある。曲調は過度に重くならず、リズムと歌の推進力で進むタイプで、フォーク寄りの手触りとロックの輪郭が同居している。バンド名を知らなくても、まずこの曲で全体の呼吸がつかめる作りだ。

歌の置き方も、感情を大きく誇張するというより、言葉の運びをきちんと追わせる方向にある。演奏が前に出すぎず、各パートが互いに譲り合いながら進むため、曲全体にまとまりがある。こうしたバランス感覚は、Unicornの持ち味として見てよさそうだ。

アルバム全体の聴きどころ

この盤の魅力は、1曲ごとの派手さというより、アルバムを通して見えるバンドの統一感にある。ギターを中心にした編成の中で、メロディの運びとコーラスの置き方が丁寧で、カントリー・ロック寄りの軽さと、英国バンドらしい落ち着きが並ぶ。曲によっては素朴さが前面に出るが、それがそのまま作品の性格になっている。

メンバーはKen Baker、Trevor Mee、Pat Martin、Pete Perryer、Chris Pidgeon、Kevin Smith。人数の多い編成らしく、単なるギター・バンド以上の厚みが出ているように聴こえる箇所もある。とはいえ、音の作りはあくまで曲本位で、技巧の誇示に寄らない。そのため、1970年代中盤の英国ロックの中でも、過剰に時代へ寄せた感じが少ない。

作品の位置づけ

Unicornにとって『Too Many Crooks』は、バンドの名前を前面に出した時期の記録として見やすい。後年の再評価で語られることの多いグループだが、この時点ではまだ、英国のロック/フォーク・ロックの流れの中で、地道に自分たちの形を組み立てている段階にある。そこにあるのは大きな事件性ではなく、曲作りと演奏の積み重ねだ。

1976年のUK盤として聴くと、同時代のより有名なバンドと比べても、Unicornはかなり素直な作りのロックを鳴らしていることがわかる。だからこそ、派手な話題性よりも、アルバム単位での流れや、バンドの呼吸を確かめる聴き方が似合う作品だと言える。

UK Harvest盤としての見どころ

このレコードはUKのHarvest、カタログ番号SHSP 4054。HarvestはEMIグループ内のレーベルとして知られ、当時の英国ロックを語るうえで重要な存在だ。Unicornのような、ルーツ色を含んだロックを置く場所としても自然で、レーベルの棚の中で見ても違和感がない。オリジナル年と盤の年が同じ1976年という点でも、当時の空気をそのまま閉じ込めた一枚として扱える。

『Too Many Crooks』は、ひとつの大ヒットで記憶されるタイプではなく、バンドの輪郭や時代の質感を静かに伝える作品だ。Unicornの入口としても、1970年代英国ロックの一断面としても、素直にその性格が見えるアルバムである。

トラックリスト

  1. A1 Weekend 3:22
  2. A2 Ferry Boat 5:00
  3. A3 He's Got Pride 4:08
  4. A4 Keep On Going 4:33
  5. A5 Too Many Crooks 4:20
  6. B1 Bullseye Bill 5:24
  7. B2 Disco Dancer 3:20
  8. B3 Easy 3:38
  9. B4 No Way Out Of Here 5:14
  10. B5 In The Mood 4:28

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