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1619 B.A.B.(正式名称:1619 Bad Ass Band)は、1970年代にアメリカ・ニュージャージー州で活動したソウル/ファンク・グループだ。メンバーは、Khalid Abdul Shalid(ピアノ)、Karl A. Harris(ベース)、Phyllis Harris(ヴォーカル)、Ogden Lee, Jr.(ギター)、Ernie(ドラム)で構成されていた。
グループ名の「1619」は、アフリカから北米大陸に最初の黒人奴隷が連行された歴史的な年(1619年)に由来している。バンド名そのものに歴史的・黒人解放のアイデンティティを刻み込んだ、骨太な思想性を持つグループでもあった。
1973年にマイナー・レーベルBrown Sugarからシングル「For Your Love」を発表。その後、1976年にマイナー/タックス・スキャム・レーベルの代表格として名高いTSG Recordsから、唯一のフル・アルバム『1619 B.A.B.』をリリースした。
プレス枚数が極めて少なく、当時の商業的な流通網にはほとんど乗らなかったものの、その圧倒的なクオリティゆえに後年のレア・グルーヴ・シーンで発掘され、伝説的なカルト作として語り継がれることになった。
1619 B.A.B.の最大の魅力は、キレのある強烈なドラム・ブレイクと地を這う極太のベースラインが牽引する漆黒のディープ・ファンクと、女性ヴォーカルPhyllis Harrisの瑞々しい歌声をフィーチャーした極上のメロウ・ソウル/スウィート・バラードがハイレベルで同居している点にある。
「Step Out」や「Love To Love」では疾走感あふれるファンク・グルーヴが炸裂し、ヒップホップDJやブレイクビーツ愛好家を熱狂させた。その一方で、「Nothing Can Stop My Loving You」や「Just For You」では甘美で洗練されたクロスオーヴァー・ソウルを聴かせ、ソウル・ファンの心を掴んで離さない。派手なオーケストレーションに頼らず、バンド自身の強靭な演奏力と生々しいアンサンブルで聴かせるタイトな作風が際立つ。
オリジナルLPは長年にわたり世界中のレア・グルーヴ市場でトップクラスの高額で取引される幻の至宝盤であったが、後年にP-VINEなどから正規復刻され、幅広いリスナーにその名が知れ渡った。
ダンスフロア直結のキラー・ファンクと珠玉のメロウ・ソウルが奇跡的なバランスで1枚に凝縮された本作は、1970年代ニュージャージーが生んだインディペンデント・ソウル/ファンクの最高峰として現在も不動の評価を保ち続けている。