1619 Bad Ass Band - 1619 Bad Ass Band (1976)
1619 B.A.B. 1976

1619 Bad Ass Band - 1619 Bad Ass Band (1976)

Funk / Soul Funk Soul

1619 Bad Ass Band『1619 Bad Ass Band』

米ニュージャージー州出身の5人組ソウル/ファンク・グループ、1619 Bad Ass Bandが1976年に発表した唯一のアルバム。ニューヨークのTSG Recordsから、品番TSG-801でリリースされた作品で、オリジナルはファーストプレスのフォード・トラック前で撮影したジャケット写真で知られる。

制作背景・エピソード

バンド名の「1619」は、北米大陸のヴァージニア植民地に最初のアフリカ人奴隷が上陸した1619年に由来する。1970年代のブラック・パワー運動や黒人意識の高まりを背景に、過酷な歴史への自覚や人種的アイデンティティ、強靭な誇りを込めて名付けられた。

リリース元のTSG Recordsは、ボクシング・プロモーターのドン・キングが関与していたとされる「タックス・スキャム(税金対策)」レーベルの一つ。損失計上や節税を目的に極小枚数のみがプレスされ、一般的な宣伝や流通はほとんど行われなかった。そのため、多くの作品が人知れず倉庫に眠るか廃棄される運命をたどった。

時代の文脈

1970年代中盤のアメリカで、卓越した実力を持つソウル/ファンク・グループが、レーベル側の税金対策という制度の歪みに翻弄された稀有な記録。1990年代以降のレア・グルーヴの隆盛やヒップホップのディガー文化によって再発掘され、その規格外の完成度の高さから「タックス・スキャム盤の最高峰」「レア・グルーヴの聖杯(ホーリー・グレイル)」と称されるに至った。

グループの編成は、Khalid Abdul Shalid(ピアノ)、Karl A. Harris(ベース)、Phyllis Harris(ボーカル)、Ogden Lee, Jr.(ギター)、Ernie(ドラムス)。本作では、紅一点Phyllis Harrisの瑞々しくソウルフルなボーカルとタイトなバンド・アンサンブルが全編を牽引している。

聴きどころ

楽曲面では、フロア映えする洗練されたディスコ・ファンク「Love To Love」、タイトなドラム・ブレイクが入るヘヴィ・ファンク「Step Out」、クロスオーバー・ソウルの名曲「Nothing Can Stop My Loving You」、そして情感豊かなスロウ・バラード「Just For You」や「Rain (Always Finds Me Crying)」など名曲が並ぶ。特に「Step Out」のドラム・ブレイクは、DJ ShadowがプロデュースしたLatyrx「Interlude」のサンプリング元としても名高い。

アップテンポからメロウまで全編を通じて捨て曲がなく、単なるコレクターズ・ピースにとどまらない純粋な音楽的クオリティの高さが最大の聴きどころだ。

後年の評価

オリジナル盤は非常に少数しか出回らなかったため、世界中のレコード・コレクターの間で高値で取引されるメガレア盤として伝説化した。その後、日本のP-VINEや英国のMr Bongoなどから正規リイシューが行われ、現代のソウル/ファンク・ファンやDJの間でもクラシックとして広く親しまれている。

トラックリスト

  1. A1 Love To Love 3:59
  2. A2 I Am Mine 4:07
  3. A3 Step Out 2:58
  4. A4 Where Do I Go From Here 3:37
  5. A5 Nothing Can Stop My Loving You 3:55
  6. B1 Just For You 4:19
  7. B2 Rain (Always Finds Me Crying) 4:50
  8. B3 For A Taste Of Your Love 4:49
  9. B4 Nobody 3:49

動画プレイリスト

公開: 2026年11月

このアーティストについて

1619 B.A.B.

1619 B.A.B.(正式名称:1619 Bad Ass Band)は、1970年代にアメリカ・ニュージャージー州で活動したソウル/ファンク・グループだ。メンバーは、Khal...

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