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Al Jarreau(アル・ジャロウ、1940年3月12日 - 2017年2月12日)は、アメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキー出身の偉大なヴォーカリストだ。音楽史上唯一、グラミー賞においてジャズ、ポップ、R&Bの3つの異なるジャンルすべてで最優秀男性ボーカル賞を受賞した前人未到の記録(通算7回受賞)を持つ奇跡のシンガーである。
大学で心理学を修めカウンセラーとして働いたのち、30代半ばで本格的にプロ歌手の道へ進んだ。1975年にワーナー・ブラザースから『We Got By』でデビュー。ヨーロッパで熱狂的な支持を集め、ドイツ・グラミー賞を獲得した。
1977年のライヴ盤『Look to the Rainbow』で初のグラミー賞(最優秀ジャズ・ボーカル賞)を獲得。声帯をパーカッションや管楽器のように操る超絶的なスキャットと、シルキーで温かみあふれる美声で一気に世界的な評価を確立した。
1981年、名匠ジェイ・グレイドンをプロデューサーに迎えたアルバム『Breakin' Away』を発表。シングル「We're in This Love Together(奏でる愛)」の世界的大ヒットとともに、同年のグラミー賞でポップ部門とジャズ部門の2冠を同時に制覇する歴史的快挙を達成した。
続く1983年の『Jarreau』からも「Mornin'」や「Boogie Down」などの名曲を生み出し、AOR/フュージョン/ブラック・コンテンポラリーの最高峰として君臨。1985年には『USA for Africa』の「We Are the World」にソロ参加し、人気テレビドラマ『こちらブルームーン探偵社』の主題歌ヒットでも親しまれた。
1992年のアルバム『Heaven and Earth』で最優秀R&Bボーカル賞を獲得し、ジャズ、ポップ、R&Bの3部門制覇を達成した。
アル・ジャロウの歌唱の真骨頂は、「人間の声という楽器の無限の可能性」を証明した点にある。パーカッシブなスキャット、ベース音やホーンの声帯模写、そして極上に滑らかで洗練されたボーカル・ワークは、ジャンルの垣根を軽やかに飛び越え、後世のあらゆるボーカリストに決定的な影響を与え続けている。