Arthur Verocai

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Arthur Verocai

Arthur Verocai(アルトゥール・ヴェロカイ)は、1945年6月17日ブラジル・リオデジャネイロ生まれの作曲家、編曲家、指揮者、ギタリストだ。1960年代末からブラジル音楽(MPB)のアレンジャーとしてキャリアを築き、ジョルジ・ベン、ガル・コスタ、マルコス・ヴァーリ、イヴァン・リンス、エラスモ・カルロスらの名作にオーケストレーションを提供して高い評価を集めた。

1972年の『Arthur Verocai』

1972年、ヴェロカイは自身の名義でセルフタイトルの1stアルバム『Arthur Verocai』をコンチネンタル(Continental)から発表した。収録曲には「Na Boca do Sol」「Dedicada a Ela」「Caboclo」などがあり、ブラジルのパーカッション、洗練されたジャズ・ハーモニー、ソウル/ファンクの躍動的なビート、サイケデリック・ロックの要素、そして優美なストリングスとホーン・アレンジが奇跡的な調和を遂げている。

この作品は当時の軍事政権下のブラジルでは商業的に振るわず、失望したヴェロカイはソロ活動を断念した。しかし後年になって世界中のコレクターやDJ、プロデューサーの間で熱烈な再評価が進み、オリジナル盤は超高額で取引されるレア・グルーヴの究極の聖典として知られるようになった。

長い沈黙とその後の再始動

1stアルバムの後、ヴェロカイはテレビ広告のジングル制作や他アーティストのアレンジなど裏方の仕事に専念した。ソロ作のリリースは長らく途絶えたが、2002年に『Saudade Demais』を発表し、30年ぶりのソロ作品として注目を集めた。

2007年には英国のFar Out Recordingsから『Encore』をリリースし、イヴァン・リンスやアジムス(Azymuth)のメンバーも参加して1972年作の魔法を現代に蘇らせた。さらに2016年の『No Voo do Urubu』では、セウ・ジョルジやマノ・ブラウンが参加し、円熟したアレンジメントを披露している。

ヒップホップ/レア・グルーヴからの再評価

1990年代末から2000年代にかけて、Madlib、MF DOOM、J Dilla、リュダクリス、Little Brotherといったアメリカのヒップホップ・プロデューサーやアーティストたちが1972年作の楽曲をこぞってサンプリングしたことで、ヴェロカイの名は世界中に急速に広まった。

こうして「発掘されたブラジルの巨匠」として再認識され、音源の正規再発やクラブDJたちのプレイを通じて、世代や国境を越えて熱狂的な支持を獲得していった。

2009年の『Timeless』と現代の評価

2009年には、ロサンゼルスのクリエイティブ・チームMochilla(B+とEric Coleman)の企画により、30人編成のオーケストラを率いた『Timeless』公演がロサンゼルスで開催された。ここで1972年アルバムの全貌が生演奏で完全再現され、長年「幻の巨匠」とされていたヴェロカイが満場のスタンディングオベーションを受け、伝説の完全復活を果たした。

近年もタイラー・ザ・クリエイターやBADBADNOTGOODとの共演が話題を呼ぶなど、現代の最先端音楽シーンからも敬愛され続けている。ブラジル音楽の枠を越え、20世紀後半から現代に至るポップス/オーケストレーションの至宝として高く評価されている。

ジャンル・スタイル

Funk / Soul Jazz Latin Jazz-Funk MPB
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