Vinyl Record Reviews
Cirkelは、オランダ・ゴリンヘム出身のプログレッシヴ・ロック・グループだ。1982年、ヴォーカル/ギター/キーボードのハンス・デン・ハルトフを中心に、ベースのヘニー・ファン・モウリク、ドラムスのアド・ストラウクという編成で結成された。活動期間は80年代初頭の短い時期に限られている。
確認できる範囲では、Cirkelは1982年に結成され、1983年に唯一のアルバム『The First Goodbye』を発表している。その後、CD再発盤には1984年録音のボーナス・トラックが収録された。活動の詳細は多く残っていないが、80年代前半のネオ・プログ系の流れの中で作品を残したバンドとして扱われている。
サウンドの軸は、ムーディー・ブルースに通じるシンフォニックで叙情的なロックにある。そこへ、当時のデペッシュ・モードを思わせるシンセサイザーの使い方や、ニューエイジ的な浮遊感が加わっている。ロック、シンセ主体の音作り、穏やかな空気感が同居したスタイルで、電子音とバンド演奏の両方が前に出る作りになっている。
1983年の『The First Goodbye』は、Cirkelの唯一のアルバムだ。ネオ・プログ、ニューエイジ、ポップの要素が混ざった作品として紹介されている。80年代前半のプログレ再興の流れの中で、当時の新しいシンセ・サウンドと、70年代的な叙情性をつなぐ位置にあるアルバムとして見られている。
Cirkelを追うときは、プログレらしい構成感だけでなく、80年代初頭らしいシンセの質感にも注目したい。ムーディー・ブルース系の流れを感じる部分と、同時代のシンセ・ポップに近い音像が同じ曲の中で並ぶ場面がある。プログレの文脈だけでなく、当時の電子音楽やニューエイジ寄りの空気を含めて聴くと、作品の輪郭がつかみやすい。