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Cold Blood(コールド・ブラッド)は、1968年にアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ・ベイエリア(イースト・ベイ)で結成されたバンドだ。R&Bを土台に、ファンク、ソウル、ロック、ジャズの要素を組み合わせたブラス・ファンク/ソウル・ロック・サウンドで知られている。結成当初から圧倒的な声量とソウルフルな歌唱力を持つ女性リード・シンガーのLydia Pense(リディア・ペンス、1947年12月14日サンフランシスコ生まれ)をフロントに据えており、「Lydia Pense and Cold Blood」の名義でも広く知られている。
結成者はギタリストのLarry Field(ラリー・フィールド)だ。Lydia Penseは14歳ごろからThe DimensionsやThe New Breedといったベイエリアのローカル・バンドで歌い始め、The Avalon BallroomやFillmore Auditoriumにも出演していた。彼女の歌声に注目したJanis Joplin(ジャニス・ジョプリン)が伝説的プロモーターのBill Graham(ビル・グレアム)にバンドを推薦した経緯があり、オーディションに感銘を受けたGrahamによってFillmore Westのステージに抜擢された。さらにGrahamが1969年に設立したレーベル、San Francisco Records(アトランティック/コティリオン配給)の第一弾・看板アーティストとして契約を結んだ。
Cold Bloodは、同時期にベイエリアで活動したTower of Power(タワー・オブ・パワー)と並んで、「East Bay Grease(イースト・ベイ・グリース)」と呼ばれるブラス・ロック/ブラス・ファンクの流れを代表するバンドとして語られる。重厚でタイトなホーン・セクションとファンキーなリズム・セクションを融合させた編成が特徴で、両バンド間のメンバーの往来も活発だった。サックス/フルート奏者のSkip Mesquite(スキップ・メスキート)、トランペット/トロンボーン奏者のMic Gillette(ミック・ジレット)、ギタリストのJeff Tamelier(ジェフ・タメリア)らは、Cold BloodとTower of Powerの双方に在籍した経歴を持つ。
結成当初のオリジナル・ラインナップは以下の通りで、のちにSandy McKee(サンディ・マッキー)、Gaylord Birch(ゲイロード・バーチ)、Michael Sasaki(マイケル・ササキ)なども加わり、時期によって編成が変化していった。
1969年の1stアルバム『Cold Blood』(San Francisco Records)はDavid Rubinson(デヴィッド・ルビンソン)がプロデュースを手がけ、Sam & Daveのカバー「You Got Me Hummin'」(全米ポップチャート52位)や、ビリー・テイラー/ニーナ・シモンで知られる「I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free」、同時期にBoz Scaggsも取り上げたFenton Robinsonのブルース「Somebody Loan Me a Dime」などを収録。アルバムは全米Billboard 200で23位(カナダ30位)を記録するヒットとなった。
1970年の2ndアルバム『Sisyphus』(San Francisco Records)はFred Catero(フレッド・カテロ)とDavid Rubinsonの共同プロデュース作で、重厚なブラス・ファンク「Shop Talk」や「Too Many People」「Understanding」などを収録し、全米アルバムチャート60位を記録した。また、1971年7月のFillmore West閉館コンサートを記録した1972年のドキュメンタリー映画およびライブ盤『Fillmore: The Last Days』(邦題:『フィルモア最後の日』)にも出演し、「You Got Me Hummin'」の熱演が収められている。
Warner傘下のRepriseへ移籍して発表された1972年の3rdアルバム『First Taste of Sin』では、ニュー・ソウル界の巨匠Donny Hathaway(ドニー・ハサウェイ)がプロデュースを担当。シンセサイザー奏者のPatrick Gleeson(パトリック・グリーソン)やPointer Sisters(ポインター・シスターズ、バッキング・ボーカル)らも参加し、「Down to the Bone」や「Valdez in the Country」など、より洗練されたソウル/ファンク・サウンドを展開した(全米133位)。
1973年の4thアルバム『Thriller!』(Reprise)では、再びDavid Rubinsonをプロデューサーに迎え、ギタリストのMichael Sasaki、ドラマーのGaylord Birch、ホーン・セクションのSkip Mesquiteらを含む編成で制作。Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)の「You Are the Sunshine of My Life」やBill Withers(ビル・ウィザーズ)の「Kissing My Love」のカバー、「Baby I Love You」などを収録し、ジャズ・ファンク/クロスオーバー色を強めた作品として高く評価されている。
続く1974年の『Lydia』(Warner Bros. Records)ではLydia Penseを前面に押し出し、「Until You Come Back to Me」のカバーなどにStevie Wonderがハーモニカでゲスト参加した。1976年にはABC Recordsから『Lydia Pense and Cold Blood』を発表している。
1970年代後半にバンドはいったん解散し、Lydia Penseは1980年代初頭に娘のDanielle(ダニエル)の育児に専念するため音楽活動を一時休止した。その後、1988年に「Lydia Pense & Cold Blood」としてバンドを再結成。ベイエリアを拠点にライブ活動を継続し、スタジオ作品やライブ盤として『Transfusion』(2005年)、『The River City Sessions』(2011年)、『Soul of the Gypsy』(2015年)、『Cold Blue Heart』(2023年)などを発表している。