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El Michels Affair(エル・ミシェルズ・アフェア)は、2002年頃にニューヨークで結成されたインストゥルメンタル・ファンク/ソウル/ヒップホップ・グループだ。マルチ奏者でありプロデューサーのレオン・ミシェルズ(Leon Michels)を中心に活動し、「シネマティック・ソウル(Cinematic Soul)」の最高峰として世界的な支持を獲得している。
2002年に結成され、2005年にデビュー・アルバム『Sounding Out the City』を発表した。バンドにはレオン・ミシェルズをはじめ、ホーマー・スタインワイス(ドラムス)、ニック・モヴション(ベース)、トーマス・ブレネック(ギター)、デイヴ・ガイ(トランペット)、マルコ・ベネヴェント(キーボード)ら錚々たる面々が名を連ねる。
彼らはDaptone RecordsやTruth & Soulの中心人物たちであり、Sharon Jones & The Dap-Kings、The Menahan Street Band、The Budos Bandの主要メンバーとして、さらにはエイミー・ワインハウスの名盤『Back to Black』の演奏陣としても知られる、現代ヴィンテージ・ソウル・シーンの最高峰プレイヤーたちである。
彼らのサウンドの核心は、1960年代から1970年代の生々しいディープ・ファンク、ヨーロッパのライブラリー・ミュージックや映画音楽の耽美的な陰影、そして1990年代のブームバップ・ヒップホップが持つ太いビート感を完全に融合させた点にある。
その名を決定的に世に知らしめたのが、ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)との歴史的協業だ。メンバーのレイクウォン(Raekwon)のツアー・バックバンドを務めたことを機に、RZAが生み出したヒップホップのマスターピース群(「C.R.E.A.M.」「Protect Ya Neck」「Duel of the Iron Mic」など)を生演奏で再構築したアルバム『Enter the 37th Chamber』(2009年)をリリース。サンプリングの原点と生演奏のファンクを鮮烈に逆流させた傑作として世界中で絶賛され、2017年には続編『Return to the 37th Chamber』を発表した。
レオン・ミシェルズはその後、名門インディー・レーベル「Big Crown Records」を共同設立し、レーベルの看板プロデューサーとしてもシーンを牽引している。トルコのアナトリアン・ロックやボリウッド映画音楽のエッセンスを取り入れた『Yeti Season』(2021年)や、ザ・ルーツ(The Roots)のフロントマンBlack Thoughtとの共作『Glorious Game』(2023年)など、ジャンルの境界を軽やかに飛び越える試みを続けている。
ヴィンテージな録音手法や機材への深い愛情を持ちながらも、単なるノスタルジーにとどまらず現代のヒップホップ/ビート・カルチャーとダイレクトに共振するその音楽性は、21世紀における生音グルーヴの新たな地平を切り拓き続けている。