El Michels Affair - Return To The 37th Chamber (2017)
El Michels Affair 2017

El Michels Affair - Return To The 37th Chamber (2017)

Funk / Soul Funk Soul

El Michels Affair『Return To The 37th Chamber』

El Michels Affairは、Leon Michelsが2002年にニューヨークで立ち上げたバンドで、Soul FireのハウスバンドThe Mighty Imperialsでの活動を経て結成された。そこからSoul FireやDaptone傘下のMistyでシングルを重ね、2005年にはMichelsが共同設立したTruth & Soulから『Sounding Out the City』を発表している。Wu-Tang Clanとの接点は、Raekwonとの共演をきっかけに深まり、2009年にはWu-Tang関連曲のカバー7インチをまとめた『Enter the 37th Chamber』を出した。本作『Return To The 37th Chamber』はその続編にあたる作品で、2017年4月14日にBig Crown Recordsから発売された。

制作背景

Big Crown Recordsの資料では、本作はLeon Michelsが新たに立ち上げたレーベルから出たタイトルで、録音は完全にアナログで行われたという。ミックスの前にテープを6世代重ねることもあり、その工程がアルバム独特のかすんだ音につながったとされる。演奏面では、サイケデリックな味付け、ジョン・カーペンター風のシンセ、ヘヴィ・メタル的なギター、ホーンに加えて、中国の伝統楽器も使われた。Wu-Tangのラップがない分、その役割を中国の楽器が補っている、と資料は説明している。

収録曲は、Wu-Tang Clanとメンバーのソロ作をインストやヴォーカル入りで再解釈したもの。ゲスト・ヴォーカルにはBig Crownのレーベル仲間が参加していて、「Tearz」ではLee FieldsとThe ShacksのShannon Wise、「All I Need」ではLady Wrayが歌っている。先行シングルとして、2016年4月に「4th Chamber / Snakes」、2017年3月に「Tearz」とRaekwonの「Verbal Intercourse」の再解釈を組み合わせた7インチも出ている。さらに、Big Crownのウェブストア限定で、ガーナ・アクラのHeavy J & Stogerが小麦粉の袋に描いた4種類の手描きジャケットも各100枚用意された。

時代の文脈

本作は、El Michels AffairがWu-Tang Clan周辺の楽曲を扱ってきた流れの中で出た2作目の関連作になる。前作のタイトルは、Wu-Tangのデビュー作『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』をもじったものだった。資料では、RZAの時代を超えたヒップホップの美学と、バンドが持つ映画的なソウルのあいだを行く作品として紹介されている。

サウンド面については、RapReviewsのPatrick Taylorが前作より「少しダークで大胆」で、「少し滑らかさに欠ける」と評している。前作は主にメロウでファンキーな、BGMにも向く音楽だったとして、本作では冒頭の「4th Chamber」の暗く汚れたギター、「Shaolin Brew」の70年代ブラックスプロイテーション映画のサウンドトラック風の響きとギターの轟音、「Wu-Tang Clan Ain't Nuthing ta F' Wit」に重なる不協和なキーボードを挙げている。そのうえで、「Tearz」でのThe Shacksの幽玄な歌声と、「All I Need」でのLady Wrayをハイライトに選んだ。

その後の動き

El Michels Affairはこの後、Freddie Gibbs & MadlibのNPR Tiny Desk公演でバックを務め、2023年にはBlack Thoughtとの『Glorious Game』も発表している。

トラックリスト

  1. A1 4th Chamber
  2. A2 Iron Man
  3. A3 Shaolin Brew
  4. A4 Pork Chop Express
  5. A5 Snakes
  6. A6 Drums For Sale
  7. A7 Shadow Boxing
  8. B1 Sipped Up
  9. B2 Tearz
  10. B3 Verbal Intercourse
  11. B4 Wu-Tang Clan Aint Nuthing Ta F' Wit
  12. B5 All I Need
  13. B6 The End (Eat My Vocals)

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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