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Flower Travellin' Bandは、日本のロック・バンドだ。1970年、内田裕也のプロデュースのもとで結成された。メンバーはジョー山中(ヴォーカル)、石間秀機(ギター)、上月ジュン(ベース)、和田ジョージ(ドラムス)を中心に構成されていた。
結成の背景には、当時の英米ロック、とくにクリームやジミ・ヘンドリックスのようなサウンドを日本で実現しようとする動きがあったとされる。バンド名はその流れの中で登場したもので、活動初期から海外志向の強いグループだった。
Flower Travellin' Bandは1970年前後に活動を始め、同年の終わりにはカナダのトロントへ拠点を移した。現地では1972年3月まで活動している。海外での活動期間を持った日本のロック・バンドとして、当時としてはかなり珍しい経歴だ。
トロント滞在中には現地ミュージシャンとも共演し、1971年にアルバム『Satori』、1972年に『Made in Japan』を発表した。『Satori』はアトランティック・レコードから、アメリカ、カナダ、日本で同時期にリリースされている。
その後、バンドは1973年4月に解散した。2007年末から2008年にかけてはオリジナル・メンバーで再結成し、2008年には『We Are Here』を発表した。ただし、ジョー山中の死去により、この再結成は続かなかった。
Flower Travellin' Bandの音楽は、サイケデリック・ロックを軸にしながら、初期ヘヴィ・メタル的な重さやプログレッシヴ・ロックの要素を取り込んでいる。ギターのリフ、重いリズム、長めの展開を含む楽曲が多く、当時の日本のロックとしてはかなり先に進んだ作りになっている。
ジョー山中のヴォーカルも重要な要素だ。英語詞を含む楽曲での歌い方は、バンドの音像と強く結びついている。石間秀機のギターは、サイケデリックな処理だけでなく、硬い音のリフも担っていた。上月ジュンのベースと和田ジョージのドラムスも、リズムの土台をしっかり支えている。
また、石間秀機は後年、エレクトリック・ギターとシタールの特徴を併せ持つ楽器「シタルラ」を開発している。こうした点からも、単に演奏するだけでなく、音作りの面でも独自性を追っていたことがうかがえる。
活動当時は商業的に大きな成功を収めたわけではないが、批評面では高く評価された。とくに『Satori』は、海外でも現在まで注目され続けている作品として扱われている。
日本のロック史の中では、海外で活動したこと、重いサウンドを早い時期に打ち出したこと、そしてサイケデリック・ロックとヘヴィな要素を結びつけたことがポイントになっている。のちのハードロックやヘヴィ・ロックを語るときに、名前が挙がることの多いバンドだ。
録音作品は現在も高音質フォーマットで入手でき、国内外で評価が続いている。代表作を追うなら、『Satori』と『Made in Japan』はまず押さえておきたい2枚だ。
Flower Travellin' Bandは、日本のロックの中でも、海外のロックをそのままなぞるのではなく、自分たちの形で重さとサイケデリアを組み合わせたバンドとして見ておくとわかりやすい。活動期間は長くないが、残した作品は今もよく聴かれている。