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Flying Colorsは、アメリカのプログレッシブ・ロック・スーパーグループだ。2011年1月、テネシー州ナッシュビルで結成された。メンバーは、スティーヴ・モーズ、マイク・ポートノイ、ニール・モーズ、デイヴ・ラルー、ケイシー・マクファーソンの5人で構成されている。
このバンドは、プロデューサーのビル・エヴァンスが「テクニカルな演奏力と親しみやすいポップ・ソングライティングを両立させるバンド」という考えのもとにメンバーを集めたプロジェクトとして始まった。最初に集まったのは、ディキシー・ドレッグスやディープ・パープルで知られるスティーヴ・モーズ、ディキシー・ドレッグスのデイヴ・ラルー、スポックス・ビアードのニール・モーズ、ドリーム・シアターのマイク・ポートノイだった。その後、ポートノイの提案でAlpha Revのポップ・シンガー、ケイシー・マクファーソンが加わり、現在のサウンドの方向性が固まった。
バンド名が決まる前の2011年1月、わずか9日間のセッションでデビュー作の土台が作られた。続いて3月に追加セッションが行われ、マイケル・ブラウアーがミックスを担当している。もともと面識のなかった実力派ミュージシャン同士を組み合わせて生まれたプロジェクトで、最初から個人のキャリアの延長というより、企画性のあるバンドとして動き出している。
Flying Colorsの特徴は、プログレッシブ・ロック由来の複雑な演奏と、メロディを前に出した楽曲構成の両方を持っている点にある。メンバーには、長年にわたってテクニカルな演奏で知られてきたミュージシャンがそろっている一方で、ケイシー・マクファーソンの歌がポップ・ソングとしての聴きやすさを支えている。
そのため、演奏面では細かなパートや変拍子が目立つ場面がありながら、曲の入口は比較的つかみやすい。プログレッシブ・ロックの文脈にありつつ、歌ものとして追いやすい作りになっているのがこのバンドの見どころだ。
デビュー作の制作は、短期間のセッションから始まった。2011年の段階で土台が作られ、そこから追加セッションを経て完成している。2作目『Second Nature』は2014年に発表され、セルフ・プロデュースで制作された。ストリングスや、McCrary Sistersによるゴスペル・グループのバッキング・ヴォーカルが加わった編成が特徴で、全米ハードロック・チャートで4位、スイス、オランダ、ドイツでもトップ40入りを記録している。
3作目『Third Degree』は2019年の作品で、スイスで11位、ドイツで16位を記録した。アルバムごとに編成や音の厚みを変えながら、演奏力とメロディの両立を軸に活動を続けている。
Flying Colorsを追うと、プログレッシブ・ロックのベテラン勢が集まったときに、どこまで複雑さを前に出すのか、どこで歌を立てるのか、その配分がはっきり見えてくる。スティーヴ・モーズ、マイク・ポートノイ、ニール・モーズ、デイヴ・ラルーという演奏面で実績のあるメンバーに、ケイシー・マクファーソンのボーカルが入ることで、音の組み立てがかなり整理されている。
プログレ・ファン向けの技巧だけでなく、曲としての流れも意識されたバンドなので、各メンバーの過去の活動を知っていると、役割の違いがさらに分かりやすい。スーパーグループとしての顔ぶれと、ポップ寄りの歌心をどうまとめているかを聴くのが、このバンドの基本の楽しみ方になりそうだ。