Vinyl Record Reviews
Pam Todd(パム・トッド)は、1970年代後半のニューヨークおよびニュージャージー周辺のアンダーグラウンド・ディスコ/ソウル・シーンで活動した女性シンガーである。彼女がリード・ヴォーカルを務め、キャシー・ボッグス(Cathy Boggs)、フェイ・クロス(Faye Cross)、テレサ・アンダーソン(Theresa Anderson)とともに結成したヴォーカル・グループ「Pam Todd & Love Exchange」名義で吹き込んだ作品群は、ガラージ/ロフト・クラシックおよびレア・グルーヴの至宝として世界中のDJやヴァイナル・コレクターから熱烈なリスペクトを集めている。
1977年、マイナー・レーベルShyrlden Records(シャルデン)からリリースされたアルバム『Let's Get Together』(SHLP-2001)は、自主制作に近い流通規模でありながら、黄金期ニューヨーク・ディスコの熱気と洗練が濃縮された歴史的名盤である。制作を手掛けたのは、後にUniversal Robot BandやInner Life、Patrick Adamsとの諸作でディスコ史に不滅の足跡を刻む名プロデューサー、グレッグ・カーマイケル(Greg Carmichael)。アレンジはケニー・シーモア(Kenny Seymour)が担当し、名手ジョージ・ヴィクトリー(George Victory)による切れ味鋭いギター・カッティングがサウンドを支えた。
アルバムの白眉であるタイトル曲「Let's Get Together」は、推進力に満ちた太いベースライン、躍動するドラム・ブレイク、鮮やかなホーン・セクション、そして何よりもPam Toddのエネルギッシュで力強いソウル・ヴォーカルとコーラスの掛け合いがフロアを熱狂へと導く傑作アップテンポ・ディスコである。また、フレンチ・テイストを取り入れた官能的でメロウなディスコ・ファンク「Baise Moi (Kiss Me)」や、伸びやかな歌声が際立つ「Can't Hold This Feeling」など、アップからスロー〜ミディアムまで当時のニューヨークのナイトクラブの空気をダイレクトに伝える楽曲が並ぶ。
タイトル曲「Let's Get Together」は、ニューヨークの伝説的クラブ「Paradise Garage」のラリー・レヴァン(Larry Levan)や、シカゴ「Music Box」のロン・ハーディ(Ron Hardy)、デトロイトのセオ・パリッシュ(Theo Parrish)ら、ダンス・ミュージックの歴史を形作ったトップDJたちによってフロアの秘密兵器としてヘヴィ・プレイされ続けた。また、Danny KrivitによるMr. Kリエディットによってさらなるフロア仕様へとアップデートされ、世代を超えたアンセムとして定着した。
オリジナル盤LPは流通量の少なさから長年トップ・ウォントのメガレア盤として高額取引されていたが、日本のP-Vineによる世界初CD化やアナログ正規リイシューによって幅広い音楽ファンへその全貌が知れ渡った。Pam Todd自身のディスコグラフィは限られているものの、その魂のこもった歌声とカーマイケル制作によるタフなグルーヴは、ディスコ/ダンス・クラシックスの真髄として今なお色褪せない輝きを放ち続けている。