Tantra

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Tantraとは

タントラ(Tantra)は、イタリア・ボローニャ出身の作曲家、編曲家、プロデューサーであるチェルソ・ヴァッリ(Celso Valli、1950年生まれ)が主導した、1970年代末から1980年代初頭の伝説的スタジオ・ディスコ・プロジェクトである。イタロ・ディスコの黎明期にあって、荘厳なシンフォニック・オーケストレーション、催眠的なシーケンス・シンセサイザー、そして原始的なアフロ/トライバル・パーカッションを高次元で融合させたプログレッシブ・ディスコを提示した。

首謀者チェルソ・ヴァッリの音楽的背景

チェルソ・ヴァッリはクラシック音楽の高度な教育を受け、オーケストレーションの素養と最先端の電子楽器への深い探求心を併せ持ったイタリア音楽界の巨匠である。彼はTantraのみならず、Macho(「I'm a Man」のディスコ・カバー)やPassengers、Azoto(「San Salvador」)といったプロジェクトで世界的なディスコ・ヒットを量産した。後年にはエロス・ラマゾッティやアンドレア・ボチェッリらイタリアを代表する世界的ポップ・アーティストのプロデューサーやアレンジャーとしても不動の地位を築いている。

Tantraではその卓越した音楽的バックボーンを惜しみなく注ぎ込み、洗練されたヨーロッパの伝統的アレンジメントと、最先端のダンスフロアの熱気を結びつけるスタジオ・プロダクションの極致を追求した。

記念碑的アルバム『The Hills of Katmandu』と『Mother Africa』

1979年に発表されたファースト・アルバム『The Hills of Katmandu』、および同年末から翌年にかけてリリースされた『Mother Africa』(アメリカではImporte/12レーベルから2枚組『The Double Album』としても発売)は、長尺のコンセプチュアルなディスコ・スイートとして構想された。

タイトル曲「The Hills of Katmandu」は、ジョルジオ・モロダー直系の疾走するパルス・シンセ・ベースを土台に、ミステリアスなオリエンタル・コーラス、劇的なストリングス、炸裂するブラス・セクションが次々と押し寄せる16分超の壮大なエピック・トラックである。また「Mother Africa」では、アフロ・ファンクやトライバルなドラム・パーカッションを前面に押し出し、コズミックで祝祭的なダンス空間を構築した。

アンダーグラウンド・クラブの熱狂とパトリック・カウリーのリミックス

Tantraの楽曲は、ニューヨークの伝説的クラブであるThe LoftやThe Saint、Paradise Garage、さらにイタリアのコズミック・シーンを象徴するBaia Degli Angeliなどで熱狂的にプレイされた。

とりわけサンフランシスコのシンセ・マエストロでありHi-NRGの先駆者であるパトリック・カウリー(Patrick Cowley)が手がけた「The Hills of Katmandu」のリミックス/メガミックスは、ダンス・ミュージック史に燦然と輝く金字塔となった。カウリーの手によってさらに加速された宇宙的シーケンサー・アルペジオと強烈なドライヴ感は、初期Hi-NRGカルチャーを決定づけ、後のシカゴ・ハウスやテクノの誕生にも計り知れない影響を与えた。

ダンス・ミュージック史における功績と評価

Tantraが残したサウンドは、ヨーロッパのクラシカルで緻密なアレンジメントと、アンダーグラウンド・ダンスフロアの原始的な狂騒を完璧な形で結びつけた傑作である。単なるディスコの枠を越え、プログレッシブ・ディスコ、コズミック・ディスコ、イタロ・ディスコの黎明期を語る上で欠かすことのできない不滅の遺産として、現在も世界中のDJやディスコ・ディガーから讃えられ続けている。

ジャンル・スタイル

Electronic Funk / Soul Disco
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