Vinyl Record Reviews
Rippleは、1970年代初頭にアメリカ・ミシガン州カラマズーで結成されたファンク/ソウル/ディスコ・バンドだ。のちにジョージア州アトランタを拠点に活動を広げた。人種混成の編成で、ギター、ベース、ドラム、ホーン、キーボード、ボーカルがそろったバンドとして活動していた。
Rippleは、70年代のファンクとディスコが広がっていく時期に活動していた。初期はミシガン州で始まり、その後アトランタに移っている。バンドの中心には、タイトなリズムセクションとホーンセクション、複数メンバーによるコーラスがあった。
前期のRippleは、ディープ・ファンクとスウィート・ソウルを軸にしたサウンドで知られる。ベースライン、カッティングギター、パーカッションがしっかり絡む作りで、演奏の輪郭がはっきりしている。
後期には、トミー・スチュワートの関与もあり、ストリングスやシンセサイザーを取り入れたコズミック/スペース・ファンク、ディスコ・ブギーへと方向を広げた。ファンクの骨格を保ちながら、ダンスフロア向けの構成を強めていった形だ。
1stアルバム『Ripple』はGRC Recordsからリリースされた。シングル「I Don't Know What It Is, But It Sure Is Funky」がBillboardのR&Bチャートでヒットしている。この曲は「Oh-la Oh-la Ay」というチャントでも知られ、レア・グルーヴやファンクの文脈でよく取り上げられる。
ほかにも「A Funky Song」「Willie Pass The Water」「You Were Right On Time」など、ファンクとソウルを行き来する楽曲が並ぶ。
2ndアルバム『Sons of the Gods』はSalsoul Recordsからの作品で、よりディスコ寄りの作りになっている。トミー・スチュワートがアレンジに関わり、「The Beat Goes On and On」「Victorious」「Sons of the Gods」などが収録されている。
この時期のRippleは、重いビートとホーン、ストリングス、シンセを組み合わせたダンス向けのサウンドを展開している。
「I Don't Know What It Is, But It Sure Is Funky」は、ヒップホップ初期から多くのプロデューサーにサンプリングされてきた。マーシャ・グリフィスの「Electric Boogie」の元ネタとしても知られている。
また、「The Beat Goes On and On」もBlack Rock & Ronをはじめ、ヒップホップやハウスのクリエイターに使われてきた。DJやレア・グルーヴのリスナーの間で、Rippleの作品は今も参照されることが多い。
Rippleは、初期ファンクの泥臭さと、後期ディスコ/スペース・ファンクの要素を両方持っているバンドとして整理しやすい。70年代のブラック・ミュージックの流れを追うときに、外しにくいグループだ。