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カリ・ウチス(Kali Uchis、本名Karly-Marina Loaiza、1994年7月17日生まれ)は、アメリカ・バージニア州出身、コロンビアにルーツを持つシンガー・ソングライター、音楽プロデューサー、映像ディレクターである。1960年代のドゥーワップやヴィンテージ・ソウル、ボレロから、現代のオルタナティブR&B、ネオ・ソウル、レゲトンに至る多彩な要素をドリーミーかつサイケデリックな美学で昇華させた。英語とスペイン語を自在に行き来するバイリンガルな表現力と唯一無二のヴィジュアル世界で、グラミー賞受賞をはじめとする世界的な成功を収めている新世代のポップ・アイコンである。
バージニア州アレクサンドリアで生まれ、幼少期を家族の故郷であるコロンビア・ペレイラとアメリカを行き来しながら育ったウチスは、高校時代から自室でサックスやピアノを演奏し、作曲やミュージックビデオの編集を独学で手がけた。
2012年に自主リリースしたミックステープ『Drunken Babble』がスヌープ・ドッグやタイラー・ザ・クリエイターの目に留まり、一躍インディー・シーンの注目の的となる。2015年のEP『Por Vida』ではディプロ、KAYTRANADA、BADBADNOTGOODらがプロデュースに参加。さらに2017年にはダニエル・シーザーのメガヒット曲「Get You」に客演し、第60回グラミー賞最優秀R&Bパフォーマンス部門にノミネートされたことで、その名声を決定づけた。
2018年、満を持して発表されたファースト・フル・アルバム『Isolation』は、Pitchforkやローリング・ストーン誌など主要メディアの年間ベスト・アルバムに選出される大絶賛を浴びた。タイラー・ザ・クリエイターとPファンクの重鎮ブーツィー・コリンズを迎えた極上のファンク・ナンバー「After the Storm」や、ジョルジャ・スミスとの「Tyrant」など、ヴィンテージ・ソウルと最先端のベッドルーム・ポップが融合した音楽性は高い評価を獲得した。
2021年の第63回グラミー賞では、プロデューサーのKAYTRANADAとコラボレーションしたシングル「10%」で最優秀ダンス・レコーディング賞を受賞し、自身初となるグラミーの栄冠を手にした。
2020年、全編ほぼスペイン語詞によるセカンド・アルバム『Sin Miedo (del Amor y Otros Demonios) ∞』をリリースした。本作に収録された「telepatía」は、甘美なベッドルーム・ポップと浮遊するラテン・リズムが融合した名曲としてソーシャルメディアを通じて世界規模でバイラル・ヒットを記録。Billboard Hot 100でトップ25入りを果たし、Hot Latin Songsチャートでは首位を獲得した。全編スペイン語の楽曲としては異例のクロスオーバー・ヒットとなり、ラテン音楽界のみならずグローバル・メインストリームでの地位を確立した。
2023年のサード・アルバム『Red Moon in Venus』は全米Billboard 200で初登場4位を記録し、「Moonlight」や「I Wish You Roses」がヒット。続く2024年の4作目『Orquídeas』では再びスペイン語を主軸に据え、ペソ・プルーマを迎えたシンセ・ポップ「Igual Que un Ángel」やカロル・G、ラウ・アレハンドロらとの共演曲を収録し、全米アルバム・チャート2位のメガヒットを記録した。
自ら映像監督を務めるミュージック・ビデオやアートワークに見られるノスタルジックでグラマラスな世界観、そして時代やジャンルの境界線を軽やかに越境していく独自のソングライティングは、現代ポップ/R&Bシーンにおいて特異な輝きを放ち続けている。