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The Delfonicsは、フィラデルフィア出身のソウル・ヴォーカル・グループだ。活動は1960年代後半から1970年代半ばにかけてで、Philly soulを代表する存在として知られている。もともとはThe Four Gentsとして始まり、1964年ごろにThe Orphonicsを名乗ったのち、The Delfonicsへと改名した。
中心メンバーは、リード・ヴォーカル兼ソングライターのWilliam Hart、その弟Wilbert Hart、Randy Cainの3人だった。のちにMajor Harrisも加わり、グループの活動を支えた。70年代半ば以降はメンバー構成に変化があり、時期によっては別編成でのツアーも行われていた。
デビュー期の重要なポイントは、1967年12月にStan WatsonがPhilly Groove Recordsを設立し、グループのヒット曲を送り出す体制を整えたことだ。アレンジャー/プロデューサーとして決定的な役割を果たしたのはThom Bellで、予算の制約があった初期には、ベル自身が多くの楽器を担当していたという。
1968年の「La-La (Means I Love You)」はBillboard Hot 100で4位を記録し、グループの代表曲になった。続く1970年の「Didn't I (Blow Your Mind This Time)」はHot 100で10位となり、第13回グラミー賞を受賞している。1971年にはRandy Cainが脱退し、その後Major Harrisが加わった。
The Delfonicsは、ソウルの中でも「silky and sweet」と形容されるタイプの男性コーラスを早い時期から広めたグループとして扱われている。柔らかい声の重なり方と、厚みのあるハーモニーが特徴で、70年代前半のソウル・シーンにこの方向性を広げた存在として見られている。
楽曲の多くは、Thom BellとStan Watsonの制作チーム、そしてWilliam Hart自身によって書かれていた。フィラデルフィア・ソウルらしい、作曲・編曲・演奏がきちんと組み上がった作りが持ち味になっている。
代表曲としては「La-La (Means I Love You)」「Didn't I (Blow Your Mind This Time)」「Ready Or Not Here I Come」が挙げられる。これらの曲は後年、ヒップホップを中心に多くサンプリングされてきた。Wu-Tang Clan、Notorious B.I.G.、Nas、Boyz II Men、Missy Elliott、DJ Jazzy Jeff & The Fresh Princeなどの名前が並ぶ。
1997年にはクエンティン・タランティーノ監督の映画『ジャッキー・ブラウン』で楽曲が使われ、再び注目を集めた。2013年にはプロデューサーのAdrian Youngeとの共作アルバムも発表している。
Major Harrisは1975年にソロ曲「Love Won't Let Me Wait」をヒットさせた。William Hartは2022年7月に亡くなっており、オリジナル・メンバーで存命なのはWilbert Hartのみとされている。
The Delfonicsについては、Wikipedia、IMDb、Philly Soul Classics、WhoSampledなどで、楽曲のクレジットやサンプリングの履歴をたどることができる。特にWhoSampledでは、彼らの曲が後世のヒップホップやR&Bにどう使われたかを確認しやすい。
Philly soulの流れを知るうえで、The Delfonicsは外せないグループだ。ヒット曲の強さだけでなく、編曲とコーラスの作り方が、その後のソウルやヒップホップにまでつながっている。