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The Wreckeryは、1985年1月にオーストラリア・メルボルンで結成されたパンク・ブルース・バンドだ。ジャンル表記ではロック、スタイルではニューウェーブに分類されることもあるが、実際のサウンドはブルースを土台にした、パンク寄りの緊張感を持つものとして語られることが多い。
結成時の中心は、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ出身のヒューゴ・レイス(ヴォーカル、ギター)とエドワード・クレイトン=ジョーンズ(ギター、オルガン、ヴォーカル)、ロビン・カシナダー(ドラムス、ピアノ、ハモンド・オルガン、ヴァイオリンなど)、タデウシュ・オビエグリー(ベース)、チャールズ・トッド(サックス、オルガン)だった。のちにベースはニック・バーカーに交代し、1988年にはジョン・マーフィー(ドラムス)やブライアン・コールチン(ベース)も加わっている。
デビューは1985年12月、Hot Recordsから出したEP『I Think This Town Is Nervous』。その後、Rampant RecordsからEP『Yeh My People』(1987年)、1stアルバム『Here at Pain's Insistence』(1987年8月)、EP『Ruling Energy』(1988年)を発表した。1988年にはCitadel Recordsから2ndアルバム『Laying Down Law』をリリースし、同年には編集盤『The Collection』も出している。
バンドは1989年半ばに解散した。ヒューゴ・レイスはベルリンへ移り、同年にHugo Race & The True Spiritとして『Rue Morgue Blues』を発表して活動を続けた。ニック・バーカーはNick Barker & the Reptilesを結成し、1989年のデビュー作『Goin' To Pieces』はARIAアルバム・チャートで35位を記録している。
The Wreckeryの特徴は、ブルースを下敷きにした暗い質感のあるサウンドにある。オーストラリアのポスト・パンク・シーンでは、「ダークでロマンティックなメロドラマ」と評されたことがある。実際、ギター、オルガン、サックス、ピアノ、ヴァイオリンまで使う編成を見ると、単純なギターロックよりも音の層が厚く、曲ごとの表情も変わりやすいバンドだったことがうかがえる。
2008年には編集盤『Past Imperfect』(Memorandum Recordings)のリリースに合わせて一時的に再結成し、東海岸ツアーを行った。さらに2023年には、再びオリジナルに近い顔ぶれで集まり、新作『Fake Is Forever』(Helixed/Gusstaff Records)を発表している。
The Wreckeryは、短い活動期間の中で複数のEPとアルバムを残し、その後も再結成や新作発表で名前を更新してきたバンドだ。オーストラリアのパンク、ブルース、ポスト・パンクの交差点にある存在として押さえておくと、彼らの作品が見えやすくなる。