Vinyl Record Reviews
Tudor Lodgeは、イングランド南部レディングを拠点に活動してきたフォーク・ロック・グループだ。中心人物はジョン・スタナードで、資料によっては40年以上にわたって活動してきたバンドとして紹介されている。メンバーにはリンダ・トンプソン、ジョン・スタナード、リンドン・グリーン、アン・スチュアート、リン・ホワイトランドの名前が挙がる。
活動は1968年、ジョン・スタナードとロジャー・ストレヴンスの結成から始まる。レディングのパブ「ホワイト・ホース」で演奏を重ね、その後は地元のフォーク・クラブを中心に活動の場を広げた。1969年にはストレヴンスに代わってリンドン・グリーンが加入し、さらにアメリカ出身のシンガー/フルート奏者アン・スチュアートが加わって、よく知られるトリオ編成になった。
この時期のTudor Lodgeは、イングランド南東部のフォーク・クラブを精力的に回っていた。1971年にはVertigoからアルバム『Tudor Lodge』を発表している。プロデュースはテリー・ブラウン。演奏にはペンタングルのダニー・トンプソン、テリー・コックス、トニー・コーらが参加し、ヴァイオリンやチェロも加わっている。
Tudor Lodgeの音楽は、3人のハーモニーを軸にしたフォーク・ロックとして整理されることが多い。オリジナル曲を中心に、丁寧に書かれた楽曲と重ねたアレンジが特徴として挙げられている。唯一のカバー曲はラルフ・マクテルの「Kew Gardens」だ。
アルバム『Tudor Lodge』では、フォークの曲作りにロックの編成感覚が入っていて、ベース、ドラム、管楽器、弦楽器まで含めた録音になっている。単独の演奏だけで押すタイプではなく、声の重なりと編曲の組み立てで聴かせるグループとして見られている。
オリジナル盤は、6面に開く型抜きの特殊ジャケットで知られている。歌詞やメンバーの線画をあしらった装丁も含めて、コレクターの間で注目されてきた。入手が難しい盤として扱われ、高値で取引されることもある。Record Collector誌の「英国の最も希少なアルバム200枚」に選ばれたという情報もある。
1971年11月、アン・スチュアートはツアー疲れを理由に脱退した。1972年初頭のオランダ・ツアーでは、リンダ・ピーターズが代役を務めたが、その後はリチャード・トンプソンとの活動に移ったため、グループはいったん解散した。
1981年にはジョン・スタナードとリンドン・グリーンにリン・ホワイトランドを加えて再結成している。その後はCast Iron Recordingsから1997年以降2016年まで複数のCDを発表し、1999年には東京で日本のミュージシャンと共演した記録もある。
Tudor Lodgeは、レディングのローカルな演奏活動から始まり、1971年のアルバムでフォーク・ロックの形をまとめたグループとして記憶されている。ハーモニー、編曲、そして少数精鋭の編成がはっきりした特徴になっている。ジョン・スタナードは2020年3月18日に亡くなっているが、バンドの録音や再結成後の活動は、今も資料や再発盤を通じてたどることができる。
参考リンクとして、公式サイト、Prog Archives、Wikipedia、AllMusicの情報が残っている。