Atlanta Rhythm Section - Champagne Jam (1978)
Atlanta Rhythm Section『Champagne Jam』(1978)
アメリカ・ジョージア州アトランタ近郊のドラヴィルで結成されたサザン/AORロック・バンド、アトランタ・リズム・セクション(Atlanta Rhythm Section / ARS)が1978年1月にPolydorから発表した通算7作目のスタジオ・アルバム。前作『A Rock and Roll Alternative』(1976年)の成功を受け、洗練されたスタジオ・ワークと親しみやすいポップ・センスを極限まで磨き上げた本作は、全米アルバム・チャート(Billboard 200)で7位を記録し、プラチナ・ディスク(100万枚以上)を獲得したバンド史上最大の商業的代表作である。
スタジオ・ワンの職人集団と盟友スキナードへの追悼
レコーディングは、バンドの活動拠点であり数々のサザン・ロック名盤を生み出したドラヴィルの名門「スタジオ・ワン(Studio One)」で行われた。名匠バディ・ブイ(Buddy Buie)がプロデュースを務め、クラシックス・フォー(The Classics IV)出身の凄腕セッション・マンたちによるタイトで芳醇なアンサンブルを構築。バリー・ベイリー(Barry Bailey)の滑らかなトーンのリード・ギターと、ロニー・ハモンド(Ronnie Hammond)のスモーキーな歌声が絶妙な調和を見せる。
本作のインナースリーブには、1977年10月に起きた飛行機事故で命を落とした盟友レーナード・スキナードのロニー・ヴァン・ザントやスティーヴ・ゲインズらへの追悼文と、奇跡的に生還したメンバーたちへの献辞が記されている。オープニングを飾る「Large Time」は、メイコンのステージでスキナードと共演した熱気あふれる夜を回想したナンバーで、「ヴァン・ザントが『Free Bird』を解き放ったとき、彼が本気だったことを誰もが知っていた」と亡き友へ熱いリスペクトを捧げている。
サザン・AORの頂点を示した名曲群
土着的なブギやブルースの枠組みにとどまらず、AORや洗練されたポップスの要素を巧みに取り入れたソングライティングも本作の大きな魅力である。妖艶なフェンダー・ローズの響きと哀愁漂うメロディが耳を捉える「Imaginary Lover」は全米シングル・チャート7位の大ヒットを記録。軽快なグルーヴが心地よい「I'm Not Gonna Let It Bother Me Tonight」も全米14位まで上昇し、泥臭いサザン・ロックのイメージを覆す都会的でメロウな「サザン・AOR」の金字塔を打ち立てた。
US初版の仕様とエンボス・ジャケット
本盤(Polydor - PD-1-6134)は1978年にリリースされたUSオリジナル初版アナログ盤。バンドロゴとタイトルが立体的に浮き彫りになったエンボス加工ジャケット仕様で、当時のファンクラブ入会案内を兼ねた「ARS Order Form」インサートが付属する。ランアウトには、コロンビアのサンタマリア工場プレスを示す「CS」刻印と、ニューヨークの「MASTERDISK」スタンプが刻まれている。
トラックリスト
- A1 Large Time 2:55
- A2 I'm Not Gonna Let It Bother Me Tonight 4:06
- A3 Normal Love 3:23
- A4 Champagne Jam 4:32
- B1 Imaginary Lover 5:05
- B2 The Ballad Of Lois Malone 4:31
- B3 The Great Escape 4:48
- B4 Evileen 3:30