Molly Hatchet - Flirtin' With Disaster (1979)
Molly Hatchet 1979

Molly Hatchet - Flirtin' With Disaster (1979)

Rock Southern Rock

Molly Hatchet『Flirtin' With Disaster』(1979)

アメリカ・フロリダ州ジャクソンビル出身のサザン・ロック・バンド、モリー・ハチェット(Molly Hatchet)が1979年9月にEpicレコードから発表した2作目のスタジオ・アルバム。重厚なハード・ロックとサザン・ブギを融合させた独自のスタイルを確立し、全米チャート19位を記録、200万枚以上を売り上げてバンド史上最大の商業的成功を収めた金字塔的作品である。

制作背景とトム・ワーマンの手腕

プロデューサーには前作に引き続き、チープ・トリック(Cheap Trick)やテッド・ニュージェント(Ted Nugent)を手がけた名匠トム・ワーマン(Tom Werman)を起用。フロリダ州オーランドのビージェイ・レコーディング・スタジオ(Bee Jay Recording Studios)およびロサンゼルスのレコード・プラント(Record Plant)にて録音された。ワーマンの卓越した音響構築により、ライヴ感あふれる骨太なドライブ感とラジオ映えする明快な輪郭を両立させている。

トリプル・ギター編成とバンドの個性

ダニー・ジョー・ブラウン(Danny Joe Brown)の野性味あふれるしゃがれたハスキー・ボーカルをフロントに据え、デイヴ・フルベック(Dave Hlubek)、スティーヴ・ホランド(Steve Holland)、デュエイン・ローランド(Duane Roland)の3名が繰り出す重層的なギター・アンサンブルが最大の特徴である。先輩格であるレーナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)直系のトリプル・ギターを受け継ぎつつも、より歪みを効かせた攻撃的なリフと高速ツイン/トリプル・リードでアプローチし、70年代末のハード・ロック/ヘヴィ・メタル・ファンをも惹きつけた。

象徴的なアートワークと楽曲解説

ジャケットには、ファンタジー・アートの巨匠フランク・フラゼッタ(Frank Frazetta)による1968年の絵画『Dark Kingdom』を採用。髑髏の山に立つ筋骨隆々の戦士のビジュアルは、重厚なサウンドのイメージを決定づけ、後のヘヴィ・メタルのアートワーク潮流にも先駆的な影響を与えた。

オープニングを飾る「Whiskey Man」のタイトなリフから熱気は一気に加速する。全米42位を記録した表題曲「Flirtin' With Disaster」は、疾走するシャッフル・ビートと怒涛のギター・ソロの掛け合いが圧巻の代表曲であり、映画やゲームなど数々のメディアでも象徴的なサザン・ロック・アンセムとして起用されてきた。さらに、ボビー・ウーマック(Bobby Womack)がヴァレンタインズ時代に書きローリング・ストーンズのカバーでも知られる「It's All Over Now」の豪快なブギ・アレンジや、骨太なブルース・ロック「Boogie No More」など、全編にわたり妥協のないヘヴィ・サザン・グルーヴが貫かれている。

本作の仕様

本盤(Epic - JE 36110)は1979年にリリースされたUS初期オリジナル盤。コロンビアのピットマン工場(Pitman Pressing)によるプレスで、ランアウトには名門マスタリング・スタジオ「STERLING」の刻印が施されている。

トラックリスト

  1. A1 Whiskey Man 3:38
  2. A2 It's All Over Now 3:40
  3. A3 One Man's Pleasure 3:25
  4. A4 Jukin' City 3:49
  5. A5 Boogie No More 6:05
  6. B1 Flirtin' With Disaster 4:56
  7. B2 Good Rockin' 3:16
  8. B3 Gunsmoke 3:10
  9. B4 Long Time 3:16
  10. B5 Let The Good Times Roll 2:56

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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