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Molly Hatchet(モリー・ハチェット)は、1971年にアメリカ・フロリダ州ジャクソンビルで結成されたサザン/ハード・ロック・バンドだ。中心人物のギタリスト、デイヴ・フルベック(Dave Hlubek)らによって立ち上げられ、バンド名は17世紀の伝説的な娼婦「ハチェット・モリー(Hatchet Molly)」に由来する。
活動初期のメンバーチェンジを経て1976年に体制が整い、ダニー・ジョー・ブラウン(Danny Joe Brown / ボーカル)、デイヴ・フルベック、デュエイン・ローランド(Duane Roland)、スティーヴ・ホランド(Steve Holland)によるトリプル・リード・ギター、バナー・トーマス(Banner Thomas / ベース)、ブルース・クランプ(Bruce Crump / ドラムス)の黄金期6人編成が完成した。
1977年に同郷の先達レーナード・スキナードが悲劇的な飛行機事故で活動停止を余儀なくされる中、モリー・ハチェットは重量感のあるハード・ロックとサザン・ブギを融合させたアグレッシブなスタイルで一躍脚光を浴びた。
1978年、名匠トム・ワーマンのプロデュースによりデビュー作『Molly Hatchet』をEpicから発表。フランク・フラゼッタの絵画『Death Dealer(死の商人)』を配した不気味で重厚なジャケットと、「Gator Country」などのアンセムで全米プラチナ・ディスクを獲得した。
続く1979年の2作目『Flirtin' with Disaster』は全米チャート19位を記録し、300万枚以上(トリプル・プラチナ)を売り上げるバンド最大の代表作となった。タイトルトラック「Flirtin' with Disaster」は、豪快なギター・リフとドライヴ感あふれるブギ・ビートが融合したサザン・ロック屈指のクラシックとして定着している。
過密なツアーと糖尿病の悪化によりダニー・ジョー・ブラウンが一時離脱し、ジミー・ファーラー(Jimmy Farrar)を新ボーカルに迎えて『Beatin' the Odds』(1980年)、『Take No Prisoners』(1981年)をリリースした。
1982年にはダニー・ジョー・ブラウンが復帰し、1983年の『No Guts...No Glory』を発表。1980年代後半以降はオリジナル・メンバーの脱退が相次ぐ中、1987年に加入したギタリストのボビー・イングラム(Bobby Ingram)が中心的な役割を担い、サザン・ロックの路線を保ちながらライヴ活動を継続してきた。
黄金期を支えたダニー・ジョー・ブラウン、デュエイン・ローランド、ブルース・クランプ、バナー・トーマス、デイヴ・フルベック、スティーヴ・ホランドの6人はいずれも2000年代以降に相次いで病没した。しかし、重厚なトリプル・リード・ギターのアンサンブルと武骨なサザン・ブギのスピリットは、今なおサザン・ロック史を象徴するサウンドとして語り継がれている。